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【第9回】親の物忘れが気になったら、まずどこに相談する?

第9回

さいたま市で親の介護が心配になったら読む話

急な入院・介護で家族が慌てないためのやさしい準備

「最近、親の物忘れが増えてきたような気がする」
 

同じ話を何度もするようになった。

約束したことを忘れている。

買い物に行くと、同じものをいくつも買ってくる。

通院日や薬の管理が、少し怪しくなってきた。

以前なら当たり前にできていたことに、時間がかかるようになってきた。
 

そんな親の姿を見て、
 

「年齢のせいかな?」

「もしかすると、認知症なのだろうか?」
 

と、心配になることがあります。
 

でも、親本人にどう伝えればよいのか分からない。

いきなり病院へ行こうと言っても、嫌がられるかもしれない。

そもそも、どこに相談すればよいのか分からない。
 

そんな時に知っておいていただきたいのが、地域包括支援センターです。
 

さいたま市では「シニアサポートセンター」という名称で、高齢者やその家族の身近な相談窓口として設置されています。

今回は、親の物忘れが気になった時に、家族が知っておきたいことと、最初の相談先についてお伝えします。
 

物忘れが増えたからといって、すぐ認知症とは限りません

年齢を重ねると、誰でも物忘れを経験することがあります。
 

人の名前がなかなか思い出せない。

何を取りに来たのか忘れてしまう。

昨日の夕食の献立を思い出せない。
 

こうしたことがあっても、それだけで認知症と判断できるわけではありません。
 

一方で、物忘れに加えて、日常生活に変化が出てくることもあります。
 

例えば、

  • 同じ質問を何度も繰り返す

  • 約束したこと自体を忘れてしまう

  • 慣れていた料理や買い物が難しくなる

  • 薬の飲み忘れや重複が増える

  • 日付や場所が分からなくなることがある

  • 以前は楽しんでいたことに関心を示さなくなる

こうした変化が続く場合は、早めに医療機関や相談窓口につながることが大切です。
 

ただし、これらは認知症を診断するためのチェックリストではありません。
 

認知症に似た症状が、別の病気や体調の変化によって生じる場合もあります。
 

大切なのは、家族だけで「認知症だ」と決めつけないことです。
 

「以前と何か違う」と感じたら、その変化を専門家に相談する。

それが最初の一歩になります。
 

家族が気づきやすいのは、日常生活の小さな変化

親と離れて暮らしていると、電話では元気そうに感じることがあります。
 

「変わりない?」

「大丈夫だよ」
 

そんな会話だけでは、生活の変化に気づきにくいものです。
 

ところが、久しぶりに実家を訪ねてみると、
 

冷蔵庫に同じ食品がいくつも入っている。

未開封の郵便物がたまっている。

お薬カレンダーに薬が残っている。

以前より家の中が片付かなくなっている。
 

といった変化に気づくことがあります。
 

もちろん、それぞれに別の理由があるかもしれません。
 

だからこそ、一つの出来事だけで判断するのではなく、「以前と比べて何が変わったのか?」を見ておくことが大切です。
 

「できなくなったこと」を探すだけではなく、親が今もできていること、大切にしていることにも目を向けたいですね。
 

本人も、不安を感じているかもしれません

家族が物忘れを心配している時、親本人も何らかの変化を感じていることがあります。
 

「最近、何だかうまくいかない」

「前は簡単にできたのに」

「家族に迷惑をかけたくない」
 

そんな思いがあるかもしれません。
 

その時に、
 

「また忘れたの?」

「さっきも言ったでしょう」

「認知症なんじゃないの?」
 

と言われると、本人は傷ついたり、不安が強くなったりすることがあります。
 

私は、認知症について考える時、本人の立場から物事を見つめることがとても大切だと思っています。
 

家族から見れば、同じ質問の繰り返し。
 

でも、本人にとっては、初めて尋ねているつもりかもしれません。
 

家族から見れば、できなくなったこと。

でも、本人にとっては、どうしてうまくできなくなったのか分からず、戸惑っていることかもしれません。
 

だからこそ、できないことを指摘する前に、
 

「何か困っていることはない?」

「一緒に確認してみようか?」
 

そんな声かけを大切にしたいものです。
 

最初の相談先は、シニアサポートセンターやかかりつけ医

では、親の物忘れが気になった時、どこに相談すればよいのでしょうか?
 

まず知っておいていただきたいのが、次の2つです。
 

① シニアサポートセンター(地域包括支援センター)

さいたま市には、高齢者やその家族の総合相談窓口として、シニアサポートセンターが設置されています。

認知症の診断がついていなくても、相談できます。
 

例えば、
 

「母の物忘れが増えてきて心配です」

「本人は病院へ行きたがらないのですが、どうすればよいでしょうか?」

「一人暮らしを続けていて大丈夫なのか不安です」

「家族として、何から始めればよいのでしょうか?」
 

といった相談です。
 

シニアサポートセンターは、本人や家族の状況を聞き、必要に応じて医療機関や認知症に関する支援につながるお手伝いをしてくれます。

相談は無料です。
 

まずは、親の住んでいる地域を担当するセンターに電話してみてください。
 

② かかりつけ医

日頃から親の健康状態を知っている、かかりつけ医も大切な相談先です。
 

認知症かどうかは、物忘れの様子だけで判断できません。

必要に応じて検査を受けたり、専門の医療機関を紹介してもらったりすることが考えられます。
 

親が受診を嫌がる場合には、家族が事前にかかりつけ医へ相談する方法もあります。

大切なのは、家族だけで診断しようとしないことです。
 

さいたま市には「もの忘れ検診」もあります

さいたま市では、認知症の早期発見・早期診断を目的として、「もの忘れ検診」を実施しています。

市が指定する医療機関で、認知機能の簡易的な検査を受けられる制度です。
 

2026年度の対象は、さいたま市在住で、年度内に65歳になる方を含む65歳以上の方など、所定の条件を満たす方です。

検診自体は年度内1回無料ですが、詳しい診断が必要になった場合は別途費用がかかることがあります。
 

また、この検診は認知症を確定診断するものではありません。

受診できる期間や医療機関、対象条件などは、さいたま市の公式ホームページで確認してください。
 

「少し気になるけれど、いきなり専門外来に行くのは抵抗がある」

そんな時に、知っておきたい制度の一つです。
 

親が「病院には行かない」と言ったら

物忘れを心配して受診を勧めても、親が嫌がることがあります。
 

「私は大丈夫」

「年寄り扱いしないで」

「そんな病院には行きたくない」
 

そんな反応があるかもしれません。
 

この時、無理に認知症という言葉を使って説得しようとすると、親子の関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。
 

例えば、
 

「最近、体調はどう?」

「いつもの先生に、健康のことを相談してみない?」

「薬のことも含めて、一度確認しておこうか?」
 

といった形で、健康についての相談から始める方法もあります。
 

もちろん、本人の気持ちや意思を尊重することが大前提です。

そして、どうしても受診につながらない場合は、家族だけで説得を続ける必要はありません。
 

さいたま市には、認知症の疑いがある方やその家族に対し、医療機関への受診やサービス利用などを支援する「認知症初期集中支援チーム」もあります。

利用については、シニアサポートセンターや区役所の高齢介護課に相談できます。
 

本人を無理に動かそうとする前に、家族が相談してみる。

それも大切な方法です。
 

相談する前に、家族が整理しておきたい3つのこと

初めて相談する時は、親の状況をうまく説明できないかもしれません。

そんな時は、簡単なメモを作っておくと安心です。

1.いつ頃から気になり始めたか?

「半年くらい前から同じ質問が増えた」

「最近、通院日を間違えることがある」

など、分かる範囲で構いません。

2.以前と比べて何が変わったか?

物忘れだけでなく、買い物、料理、服薬、金銭管理、外出など、暮らしの中で変化したことを書いておきます。

3.家族が一番心配していることは何か?

「一人暮らしを続けられるか?」

「薬をきちんと飲めているか?」

「本人が受診を嫌がっている?」
 

など、一番気になることを一つでも書き出してみてください。

完璧な資料を作る必要はありません。
 

「何となく心配」という気持ちを、少しだけ言葉にする。

それだけでも、相談の第一歩になります。
 

※ただし、急に意識や言動がおかしくなった場合や、ろれつが回らない、片側の手足に力が入らないなどの症状が突然現れた場合は、通常の物忘れ相談を待たず、119番などで緊急の医療対応を求めてください。
 

認知症と診断されても、その人らしい暮らしは続いていきます

ここで、ぜひお伝えしたいことがあります。
 

認知症という言葉を聞くと、
 

「もう何も分からなくなってしまう」

「自分で何もできなくなる」

「これまでの暮らしが続けられなくなる」
 

そんなイメージを持つ方もいるかもしれません。
 

でも、認知症になったからといって、その人の人生が終わるわけではありません。
 

好きなこと。

大切にしている人。

長年続けてきた習慣。

自分で決めたいという気持ち。
 

そうしたものは、認知症になっても大切にされるべきものです。
 

家族として必要なのは、できないことを探して先回りすることだけではありません。

本人の気持ちを聞き、今できることを大切にしながら、必要な支援を一緒に考えていくことだと思います。
 

早めに相談することは、本人の自由を奪うためではありません。

これからも安心して暮らしていくための選択肢を増やすことです。
 

家族だけで抱え込まないことも、立派な介護準備

親の物忘れが気になり始めた時、家族はつい一人で考え込んでしまいます。
 

「認知症だったらどうしよう」

「仕事を続けられるだろうか?」

「これから誰が支えるのだろう」

「親には、どう伝えればいいのだろう」
 

まだ何も決まっていない段階だからこそ、不安が大きくなることもあります。
 

そんな時に大切なのは、すべての答えを家族だけで出そうとしないことです。
 

私は、さいたま市で親の介護準備や終活の前段階を整理するお手伝いをしています。
 

親の状況を整理する。

家族の不安を言葉にする。

親にどう話を切り出すかを一緒に考える。
 

そして、必要な時にはシニアサポートセンターや医療機関など、適切な相談先につながる。

そんな役割を、地域の中で担っていきたいと思っています。
 

今日からできる小さな一歩

今回の小さな一歩は、3つです。
 

1つ目
親の暮らしについて、以前と変わったことを一つ書き出してみる。

 

2つ目
親の住んでいる地域を担当するシニアサポートセンターを調べておく。

 

3つ目
もし気になる変化が続いているなら、かかりつけ医やシニアサポートセンターに相談してみる
。

 

物忘れが増えたからといって、すぐに認知症と決めつける必要はありません。
 

でも、「何か違う?」と感じているのに、家族だけで悩み続ける必要もありません。
 

早めに気づくこと。
本人の気持ちを大切にすること。
そして、早めに相談すること。

 

その小さな一歩が、親と家族のこれからの安心につながります。
 

親も子も、できるだけ笑顔で暮らし続けられるように。

まずは、一人で抱え込まず、地域の相談先につながるところから始めてみませんか?
 


参考・相談先(さいたま市公式)

・シニアサポートセンター(地域包括支援センター)

・認知症の症状や相談窓口について

・もの忘れ検診について

・認知症初期集中支援チームについて

 

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2026年09月23日 18:22

父を見送って 家族として経験した葬儀・納骨・相続の記録

第1回

第1回 父の葬儀を終えて

9月15日(火)午前6時44分、父が亡くなりました。

本当に、突然のことでした。
 

前日まで、父は特別養護老人ホームでいつもと変わらず過ごしていました。

私自身も、「このまま、あと3年、5年くらいは特養で生活していくのだろう」と、どこかで思っていました。
 

ところが、その翌日の早朝。

午前3時頃、父は特別養護老人ホームの自分の部屋で倒れました。
 

その後、午前5時頃に病院へ緊急搬送。

そして午前6時44分、帰らぬ人となりました。
 

虚血性心疾患による、まさに突然死でした。

あまりにも急な出来事で、気持ちの整理がつかないまま、そこから父を見送るための時間が始まりました。
 


「まさか、今日亡くなるとは」誰も思っていなかった

親が高齢になれば、「いつか別れの日が来る」ということは頭では分かっています。

父は介護施設で生活していましたし、これまで入院や体調の変化も経験してきました。
 

ですから、「父の死」というものを一度も考えたことがなかったわけではありません。

それでも、「まさか今日、父が亡くなるとは」思ってもいませんでした。
 

前日まで普通に生活していた父。

あと数年は施設で暮らしていると思っていた父。
 

その父が、数時間のうちに倒れ、救急搬送され、亡くなってしまう。

これが「突然死」なのだと、私は当事者になって初めて実感しました。
 

亡くなるということには、必ずしも「心の準備をする時間」があるわけではありません。

介護が長く続いたからといって、その先にゆっくりと看取りの時間が訪れるとも限らない。

今回の父の死は、そのことを私に強く教えてくれました。
 


父が亡くなる前から「葬儀社の方」とつながっていた

父が亡くなった直後、非常に助かったことがありました。
 

それは、「亡くなる前から葬儀社の方との人間関係ができていたこと」です。
 

人が亡くなると、悲しむ間もなく、さまざまなことを決める必要があります。
 

病院からどこへ搬送するのか?

葬儀をどのような形で行うのか?

火葬場はどうするのか?

死亡届などの手続きはどうするのか?
 

そして、それらを短い時間の中で次々と判断しなければなりません。
 

今回、以前からつながりのある葬儀社の方へ相談できたことで、病院からの引き取りから葬儀、火葬まで、必要なことを一つずつ教えていただきながら進めることができました。
 

もちろん、葬儀社の方にもさまざまなご配慮をいただいたと思います。
 

しかし何より、「いざという時、相談できる人がいる」ということ自体が、家族にとって非常に大きな安心につながりました。
 

私はこれまで終活について、「元気なうちから準備しておくことが大切です」とお伝えしてきました。

今回、自分自身がその当事者となり、葬儀社との「つながり」もまた、一つの終活なのだと実感しました。
 


初めて経験した「直葬」という見送り方

今回、父の葬儀は「直葬」という形を選びました。

通夜や一般的な告別式を行わず、家族を中心に故人と最後のお別れをし、火葬する形式です。
 

9月18日(金)16時から、家族で父を見送りました。
 

正直なところ、実際に経験する前には、
 

「直葬では少し寂しいのではないだろうか?」

「本当にきちんと父を見送れるのだろうか?」
 

という思いが、全くなかったわけではありません。
 

しかし実際に終えてみると、私の印象は変わりました。
 

家族だけで静かに父と向き合い、最後のお別れをする。

父の顔を見ながら、これまでのことを思い返す。

そして、感謝を伝えて送り出す。
 

葬儀社の方の配慮も大きかったと思いますが、私自身は、「直葬という見送り方も、十分にありだ」と感じました。
 

もちろん、どの葬儀の形が正しいということではありません。
 

一般葬、家族葬、直葬。
 

故人の希望、家族の考え方、宗教、親族との関係、費用などによって、選択はそれぞれ違います。
 

大切なのは、「どの形式を選んだか」以上に、「家族が納得して故人を送り出すことができたか?」なのかもしれません。
 


葬儀が終われば、すべてが終わるわけではない

9月18日、父の葬儀を無事に終えることができました。
 

これで一区切り。

そう思いたい気持ちもあります。
 

しかし、現実にはここからも多くのことが待っています。
 

現在、私たち家族が進めなければならない主なことだけでも、次のようなものがあります。

1.未支給年金・遺族年金の申請

父が亡くなるまでに受け取る権利があった未支給年金について確認し、あわせて母の遺族年金についても手続きを進める必要があります。

2.埋葬費などの申請

父が加入していた健康保険制度を確認し、対象となる給付について申請していきます。

3.納骨と四十九日法要

祖父と祖母が眠っている公園墓地のお墓があります。

父についても、できれば祖父母と同じお墓に納骨したいと考えています。

墓地への確認、納骨手続き、そして四十九日法要についても、これから進めていきます。

4.母の銀行口座の手続き

父亡き後、母自身のお金をどのように管理していくのかも、大きな課題です。

まずは、母名義の銀行口座について、キャッシュカードの発行など必要な手続きを確認していきます。

5.相続手続き

そして、相続です。
 

父にどのような財産や契約があったのか?

相続人は誰なのか?

どの手続きを、いつまでに行う必要があるのか?
 

形式上、一つひとつ確認していかなければなりません。
 

葬儀を終えれば終わりではありません。

むしろ、「家族としてのさまざまな手続きは、葬儀が終わってから本格的に始まる。」今、そう感じています。
 


「終活」は、余命が分かってから始めるものではない

私はこれまで、介護準備や終活について多くの方にお伝えしてきました。
 

しかし今回の経験で、改めて強く感じたことがあります。

それは、「終活は、死期が近づいてから始めるものではない」ということです。
 

父は前日まで普通に生活していました。

私も「あと数年は大丈夫だろう」と思っていました。
 

しかし、別れは突然やってきました。
 

だからこそ、
 

・もしもの時、どこへ連絡するのか?
・葬儀をどのようにしたいのか?
・お墓はどこなのか?
・年金や銀行口座はどうなっているのか?
・財産や契約はどこにあるのか?
・家族の誰が何を担当するのか?
 

こうしたことを、元気なうちから少しずつ家族で共有しておく。

それが、本当の意味での「終活」だということを、父の突然の他界、そして葬儀を通じて実感しました。
 


当事者になって初めて分かることを、記録していきたい

これまで私は、介護準備や終活を「伝える側」にいました。

父母の介護も経験してきました。
 

しかし今回、「父を突然亡くし、葬儀を行い、これから納骨・年金・銀行・相続などの手続きを進めていく側」になりました。
 

これまで知識として分かっていたことと、実際に家族として経験すること。

そこには、やはり違いがあります。
 

分かっていたつもりでも、当事者になって初めて分かることがあります。

だからこそ、今回の経験を記録として残していこうと思いました。
 

この連載では、「父を見送って――家族として経験した葬儀・納骨・相続の記録」として、これから実際に経験していくことを綴っていきます。
 

制度の説明だけではなく、
 

「実際に何に困ったのか?」

「何をしておいて良かったのか?」

「もっと準備しておけば良かったことは何か?」
 

そうしたことも、できるだけ率直に書いていきたいと思っています。
 

同じように高齢の親を持つ方。

介護をしている方。

そして、「親はまだ元気だから大丈夫」と思っている方にも、何か一つでも届くものがあればと思います。
 

父を見送ってから、まだ数日。

気持ちの整理も、すべてできているわけではありません。
 

それでも一つひとつ、家族として必要なことを進めながら、

今回の経験を、これからの私自身の「介護準備」と「終活」の活動にもつなげていきたいと思います。

2026年09月20日 11:35

【第5回】介護保険があっても、すべての費用が賄えるわけではない

第5回

全20回連載 「老後資金を増やす前に 介護で失わない家計のつくり方」

親の介護、自分たちの介護、仕事とお金―50代・60代が今から考えたい20の現実

「介護保険があるから、何とかなる」と思っていませんか?

親の介護についてお話ししていると、「日本には介護保険があるから、そんなに大きなお金はかからないのでは?」という声を聞くことがあります。
 

確かに、公的介護保険は、私たちが介護に直面したときの非常に重要な制度です。

訪問介護、デイサービス、福祉用具、ショートステイ、施設サービスなど、さまざまな支援を一定の自己負担で利用することができます。
 

しかし、ここで知っておきたいことがあります。

介護保険があるからといって、介護に関係するすべての費用が保険で賄われるわけではありません。
 

この点を知らないまま老後資金計画を立ててしまうと、「思っていたよりお金がかかる」ということが起こる可能性があります。
 

介護保険サービスは原則1割、所得によって2割・3割負担

厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」によると、介護保険サービスを利用した場合、利用者は原則としてサービス費用の1割を負担します。

一定以上の所得がある方は、2割または3割負担となります。
 

例えば、介護保険の対象となるサービスを1万円分利用し、1割負担であれば、利用者が支払う介護サービス費は1,000円です。
 

ここだけを見ると、「やはり介護保険があれば安心」と思うかもしれません。
 

しかし、大切なのはここからです。

この1割、2割、3割という数字は、「介護生活に必要となるすべてのお金の1~3割」という意味ではありません。

あくまでも、介護保険の給付対象となるサービス費用に対する自己負担です。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「サービスにかかる利用料」

URL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
 

施設に入れば「介護サービス費」以外のお金も必要になります

分かりやすい例が、介護施設です。
 

厚生労働省によると、介護保険施設を利用する場合には、介護サービス費の1~3割負担のほかに、
 

・居住費
・食費
・日常生活費
 

などの負担が必要になります。
 

例えば特別養護老人ホームでも、「介護保険だから1割だけ払えばよい」というわけではありません。
 

部屋で生活するための居住費。

毎日の食事にかかる食費。

さらに施設によっては、理美容などの日常生活上の費用も生じます。
 

厚生労働省の資料でも、施設サービス利用時には、介護給付の自己負担とは別に「居住費」「食費」「日常生活費」が利用者負担として示されています。
 

【引用・参考】
厚生労働省 「介護保険給付における利用者負担」

URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001512845.pdf
 

特別養護老人ホームでも「部屋と食事」は別に考える

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、特別養護老人ホームの利用者負担についても、
 

①施設サービス費 に加えて、

②居住費・食費
 

が示されています。
 

居住費については、個室、多床室など居室の種類によっても異なります。

食費については、食材料費と調理費が利用者負担となります。
 

つまり、同じ「施設介護」であっても、どの施設、どの居室を選ぶかによって家計への影響は変わるということです。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)」

URL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/publish/group14.html
 

在宅介護にも「介護保険で利用できる上限」があります

では、「施設ではなく、自宅で介護すれば介護保険で何とかなるのでは?」と思われるかもしれません。
在宅介護にも知っておきたい仕組みがあります。
 

居宅サービスには、要介護度に応じて1カ月に介護保険で利用できるサービスの「支給限度額」が設定されています。
 

厚生労働省の公表システムでは、例えば、
 

要介護1 167,650円
要介護2 197,050円
要介護3 270,480円
要介護4 309,380円
要介護5 362,170円
 

となっています。
 

限度額の範囲内であれば、原則1~3割負担です。

しかし、支給限度額を超えてサービスを利用した場合、超えた部分は全額自己負担になります。
 

介護状態が重くなったり、家族だけでは対応が難しくなったりすると、「もう少しサービスを増やしたい」ということもあるでしょう。

そのとき、「介護保険だから何でも1割負担」ではないことを知っておく必要があります。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「サービスにかかる利用料」

URL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
 

「介護保険の対象外となる費用」もあります

厚生労働省の介護サービス概算料金の案内にも、利用するサービスによって、「食費や居住費など、介護保険適用外の費用が必要になる」ことが明記されています。
 

また、実際の費用は、
 

・利用する施設や事業所
・地域
・要介護度
・利用するサービス内容
 

などによって変わります。
 

つまり、「要介護3だから毎月○万円」のように単純に決められるものではありません。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「介護サービスにかかる概算の料金を知りたい」

URL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/help/page6.html
 

さらに「家族側で発生するお金」があります

ここからが、私がミドルシニア世代の方に特に考えていただきたいところです。
 

介護保険制度の自己負担額だけを計算しても、介護による家計への影響をすべて把握することはできません。
 

例えば、親が遠方に住んでいれば、
 

実家へ行くための電車代

新幹線代

高速道路代

ガソリン代

場合によっては宿泊費

病院や施設へ行くための交通費
 

こうした費用が家族側に発生する可能性があります。
 

親の入退院や介護サービスの調整のために仕事を休めば、働き方によっては収入にも影響するかもしれません。

つまり、子世代から見ると、「親本人にかかる介護費用」と、「介護する家族側に発生する費用」の両方を見る必要があるのです。
 

「お金」だけでなく「時間」も家計に影響します

介護で見落としやすいのが、「時間のコスト」です。
 

例えば、

平日に親の病院へ付き添う。

ケアマネジャーとの打ち合わせに参加する。

介護認定の手続きをする。

施設を探す。

急な呼び出しに対応する。

実家へ何度も通う。
 

こうしたことには時間が必要です。
 

会社員であれば、
 

有給休暇

介護休暇

介護休業

短時間勤務

テレワーク
 

などを活用できる場合があります。
 

しかし、制度を知らず、「自分が全部やらなければ」と思い込んでしまうと、仕事を辞めるという判断につながる可能性があります。
 

そして介護離職をしてしまえば、介護費用の問題に加えて、「自分自身の収入が大きく減る」という問題まで発生します。
 

私は、ここが介護と老後資金を考えるうえで非常に重要だと思っています。
 

負担が高くなった場合の制度も知っておきたい

一方で、「こんなに費用があるなら、とても払えない」と必要以上に不安になる必要もありません。
 

介護サービスの自己負担が高額になった場合には、「高額介護サービス費」という負担軽減制度があります。
 

所得に応じて月々の自己負担額に上限が設けられ、対象となる介護サービス費の自己負担が上限を超えた場合には、その超過分が支給されます。
 

ただし、
 

食費

居住費

福祉用具購入費など
 

一部の費用は高額介護サービス費の対象外です。
 

「上限制度がある=すべての介護費用に上限がある」というわけではない点にも注意が必要です。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「サービスにかかる利用料/高額介護サービス費」

URL:https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
 

低所得の方には食費・居住費の負担軽減制度もあります

介護施設やショートステイを利用する低所得の方については、一定の条件を満たした場合、食費や居住費の負担を軽減する仕組みもあります。
 

厚生労働省の資料では、介護保険施設やショートステイについて、「補足給付」による居住費・食費の軽減が示されています。
 

大切なのは、「介護は全部自費」と考えることでも、「介護保険が全部払ってくれる」と考えることでもありません。
 

どこまで制度が使えて、どこから自己負担になるのかを確認することです。
 

制度は活用する。

でも制度だけに頼り切らない。
 

この両方の視点が必要です。
 

【引用・参考】
厚生労働省
「介護保険給付における利用者負担」

URL:https://www.mhlw.go.jp/content/001512845.pdf
 

「親の介護費」と「自分の家計」を分けて考える

そして、もう一つ大切なことがあります。
 

それは、「親の介護費用を、最初から自分たち夫婦の財布で負担しないこと」です。
 

もちろん、家族ですから、必要に応じて援助することもあるでしょう。
 

しかし、
 

親に年金がいくらあるのか?

預貯金はいくらあるのか?

保険はあるのか?

どのくらいの施設費までなら負担できるのか?
 

こうしたことを確認しないまま、子どもが次々と費用を立て替えていくことは避けたいところです。
 

親の介護費用は、まず親自身の収入や資産を基本として考える。
 

そのうえで不足する場合には、
 

家族としてどこまで支援するのか?

兄弟姉妹でどのように分担するのか?
 

を話し合う。
 

この順番が、自分たちの老後資金を守ることにつながります。
 

今日からできること――介護費用を「3つの財布」に分ける

親が元気な今のうちに、介護に関するお金を次の3つに分けて考えてみてください。
 

① 介護保険が適用されるサービス費

訪問介護

デイサービス

ショートステイ

施設サービス

福祉用具など
 

そのうち本人の負担は何割なのかを確認します。

② 介護保険だけでは賄えない費用

施設の居住費

食費

日常生活費

支給限度額を超えたサービス

介護保険適用外のサービスなど

③ 家族側に発生する費用・影響

実家までの交通費

宿泊費

病院や施設への移動費

仕事を休むことによる影響

一時的な立て替え
 

まず、この3つに分けるだけでも、「介護にいくらかかるのか分からない」という漠然とした不安が、少し具体的になります。
 

「介護保険があるから安心」から「制度を使いながら備える」へ

介護保険は、とても重要な社会保障制度です。

この制度があるからこそ、家族だけで介護を抱え込まず、専門職や介護サービスの力を借りることができます。
 

ですから、介護保険に不安を持ってほしいわけではありません。
 

むしろ、「介護保険を正しく知って、最大限活用してほしい」と思っています。
 

ただし、介護保険だけですべてのお金が賄えるわけではありません。
 

だからこそ、親が元気なうちに、
 

どこで暮らしたいのか?

どのくらいの年金や資産があるのか?

誰がどのように支えるのか?

自分たちは仕事をどう続けるのか?
 

を整理しておくことが重要なのです。

老後資金を増やす前に、介護で失わない仕組みをつくる。
 

そのためには、「制度があるから大丈夫」ではなく、「制度を上手に使いながら、制度で賄えない部分にも備える」という視点を持つことが大切です。
 

次回予告

第6回は、「親の介護費は、誰が払うべきなのか?」をテーマにお伝えします。
 

親の介護費用は、子どもが負担するものなのでしょうか?

親自身の年金や預貯金は、どこまで介護に使うべきなのでしょうか?

兄弟姉妹がいる場合、費用負担は平等にすべきなのでしょうか?
 

第6回からは、「中流家庭の家計が、介護によってどのように弱っていくのか?」という第2部に入ります。

まずは、介護費用の「誰が払うのか問題」から考えていきます。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「介護と老後資金」を一度整理してみませんか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

介護保険は大切な制度です。
 

しかし、介護保険だけですべての費用が賄えるわけではありません。
 

親の年金や資産

介護保険で利用できるサービス

保険外となる費用

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そして、自分たち自身の老後資金

これらを一度整理しておくことが大切です。
 

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2026年09月14日 11:21

想定外の介護|第8回「自分で飲んでいる」と言う母に、毎回の服薬確認が必要だった

第8回

薬は置いておけば飲める、ではなかった。

※この記事は、私自身の母の介護経験をもとに、本人の尊厳と個人情報に配慮しながら構成しています。服薬方法や薬の種類、服用回数は人によって異なります。
 


「薬くらいは、自分で飲める」と思っていた

親の介護について考える時、皆さんはどんな場面を想像するでしょうか?
 

歩くのを手伝う。

トイレへ付き添う。

食事を用意する。

お風呂に入るのを手伝う。
 

私も以前は、そんな「目に見える介助」を介護だと思っていたところがありました。
 

その中で、薬については、「本人の前に置いておけば、自分で飲めるだろう」と安易に考えていました。
 

実際、母も以前は自分で薬を飲んでいました。

ですから、まさか家族が、
 

「朝の薬は飲んだ?」

「昼の薬はまだだよ」

「これは夜に飲む薬だよ」
 

と、毎回確認することになるとは思っていませんでした。
 

これも、私にとっては「想定外の介護」でした。
 


母は「薬を飲めない」わけではなかった

ここが、介護の分かりにくいところだと思います。
 

母は、薬そのものを飲めないわけではありませんでした。
 

錠剤を口に入れる。

水で飲み込む。

その行為自体はできる。
 

一見すると、「だったら一人で大丈夫なのでは?」と思います。
 

しかし、問題はそこではありませんでした。
 

母にとって難しくなっていたのは、「いつ、どの薬を飲むのかを自分で管理すること」でした。
 

朝なのか?

昼なのか?

夜なのか?

もう飲んだのか?

まだ飲んでいないのか?
 

そうした一日の流れを自分だけで管理することが、少しずつ難しくなっていたのです。
 


朝・昼・晩——家族の確認が必要になった

母には、朝・昼・晩と薬を飲むタイミングがありました。
 

すると家族にも、
 

朝

昼

晩
 

それぞれに確認する時間が生まれます。
 

「朝の分は飲んだ?」

「昼の薬はこれだよ」

「夜の薬はまだだからね」
 

服薬そのものは、数分で終わるかもしれません。
 

でも、その数分が一日に何度もあります。
そして翌日も。

その次の日も。

毎日続きます。
 

家族が付き添っていた時には、こうした確認が常に必要でした。
 

そこで初めて、「服薬管理も立派な介護なのだ」と実感しました。
 


「飲んだよ」と言われても、本当に飲んだか分からない

さらに難しいのは、本人の言葉だけでは確認できないことがあるという点です。
 

「薬、飲んだ?」と聞く。
 

母は、「飲んだよ」と答える。
 

でも、本当に飲んだのか?

朝の薬だったのか?

昼の薬だったのか?

いつ飲んだのか?
 

分からないことがあります。
 

本人が嘘をついているわけではありません。

本人自身は、本当に飲んだと思っていることもあります。

逆に、すでに飲んでいるのに、「まだ飲んでいない」と思ってしまうこともあり得ます。
 

私はこの経験から、「本人が大丈夫と言っている」と「実際に大丈夫」は、同じではないことがあると知りました。
 


薬をケースに分ければ解決、でもなかった

朝・昼・晩で薬を分けるケースがあります。

一週間分を曜日ごとに整理することもできます。
 

もちろん、こうした工夫はとても役立ちます。
 

ただ、母の場合には、「薬が分かれていること」と、「その時間に正しく飲めること」は、別の問題でした。
 

今日は何曜日なのか?

今は朝なのか昼なのか?

すでに飲んだのか?
 

その確認が必要になる。
 

つまり、道具で整理するだけでは補えない部分がありました。
 


「服薬管理」という言葉の意味が変わった

それまで私がイメージしていた服薬管理は、
 

薬を整理すること。

薬をなくさないこと。

飲む時間を間違えないようにすること。
 

その程度でした。
 

でも母の介護を経験して、意味が変わりました。
 

時間になったら声をかける。

薬を渡す。

飲んだことを確認する。

次の薬の時間まで把握しておく。
 

場合によっては、本人が嫌がらないように伝え方にも配慮する。
 

つまり、「薬そのものではなく、その人の生活全体を見ながら支えること」が服薬管理だったのです。
 


「数分だから大したことはない」と思うかもしれない

一回の服薬確認には、それほど長い時間はかかりません。

数分で終わる場合もあるでしょう。
 

だから、「そんなに大変なことではないのでは?」と思うかもしれません。
 

でも、介護には、この「数分」がたくさんあります。
 

薬を確認する数分

トイレへ声をかける数分

着替えを手伝う数分

食事を確認する数分
 

一つひとつは小さい。でも、それが朝から夜まで続きます。

そして毎日続きます。
 

介護の負担は、大きな介助を何時間するかだけではなく、「小さな確認に、一日を細かく区切られていくこと」にもあるのだと思います。
 


家族の外出にも「薬の時間」がついてくる

母の服薬を家族が確認していた頃、外出する時にも薬のことが頭にありました。
 

昼の薬はどうするか?

夕方までに帰れるか?

誰かが代わりに確認できるか?
 

ほんの数分の服薬確認でも、「その時間に誰かが必要」となれば、家族の行動に影響します。
 

介護が始まる前には、私はそこまで想像していませんでした。
 

「薬を飲んでもらう」という一つの出来事ではなく、家族の一日の予定にも薬の時間が組み込まれていく。

これも、実際に経験して初めて分かったことでした。
 


できることと、できなくなったことが混在する

高齢者の介護では、何もかも突然できなくなるわけではありません。
 

ここも大切な点だと思います。
 

母は会話ができる。

食事もできる。

薬も自分で飲み込める。
 

だから、一見すると自立しているように見える。
 

でも、朝・昼・晩の服薬を管理することは難しい。

こうして、「できることと、できないことが同時に存在する」ことがあります。
 

家族にとっては、これが非常に分かりにくい。

「これができるなら、あれもできるだろう」と思ってしまうからです。
 

でも実際には、能力は一律に低下するわけではありません。

そこに、介護の想定外があります。
 


「自分でできる」と言う親の気持ちも大切にしたい

一方で、親からすれば、「薬くらい自分で飲める」と思いたい気持ちもあるでしょう。
 

今までずっと、自分のことは自分でやってきた。
 

子どもに何度も、「薬は飲んだ?」と聞かれる。
 

本人にとっては、「子ども扱いされている」と感じることもあるかもしれません。
 

介護では、必要な確認と、本人の自尊心の間で家族が悩むことがあります。
 

確認しなければ心配。

でも確認しすぎれば、本人が嫌がる。
 

ここにも、答えが一つではない介護の難しさがあります。
 


「薬の飲み忘れ」は、家族から見えにくい

転倒すれば、すぐ分かります。

けがをすれば分かります。

体調が大きく悪化すれば、周囲も気づきます。
 

でも薬の飲み忘れは、静かに起こります。
 

朝の薬が残っている。

昨日の薬がある。

薬の数が合わない。
 

最初は、そんな小さな変化かもしれません。
 

本人も困っている自覚がない場合があります。

家族も、「年だから少しくらい忘れることもある」と思うかもしれません。
 

でも、それが、一人で服薬管理することが難しくなっているサインの場合もあります。
 


介護は、大きな事件だけで始まるわけではない

この連載ではこれまで、
 

病気で入院したこと。

自宅へ戻れなくなったこと。

緊急搬送されたこと。

排せつが難しくなったこと。

入浴を拒否したこと。
 

などを書いてきました。
 

これらに比べると、「朝・昼・晩の薬を確認する」という話は、とても地味に見えるかもしれません。
 

でも私は、こうした小さな変化の積み重ねも、まさに介護だと思っています。
 

介護は、救急車が来た日から始まるとは限りません。
 

薬を忘れるようになった。

一人で買い物へ行けなくなった。

トイレの回数が変わった。

同じことを何度も聞くようになった。
 

そうした日常の小さな変化から、すでに始まっていることがあります。
 


「うちの親は自分で薬を飲んでいる」その先を見る

読者の皆さんの親御さんは、今どのように薬を管理していますか?

本人が自分で飲んでいるでしょうか?
 

それなら、少しだけその先を見てみてもいいかもしれません。
 

何の薬を飲んでいるのか?

一日何回なのか?

朝・昼・晩の区別はできているか?

飲み忘れはないか?

薬が余っていないか?

家族は薬の内容を知っているか?

お薬手帳がどこにあるか知っているか?
 

「自分で飲んでいる」という言葉だけでは、分からないことがあります。
 

母の経験を通じて、私はそのことを知りました。
 


「そんなことも介護になるんだ」と知ってほしい

この連載で、不安を煽りたいわけではありません。

親の行動を常に疑ってほしいわけでもありません。
 

伝えたいのは、「そんなことも介護になるんだ」ということです。
 

薬を飲むという、ごく普通の日常。
 

それも、高齢になり生活力や認知機能が変化すると、誰かの支えが必要になることがあります。
 

そして、その支えは、
 

朝

昼

晩
 

毎日の生活の中に入ってきます。
 

私自身、母を介護するまで、そこまで具体的には想像していませんでした。
 

だからこそ、「まだうちの親は元気」と思っている方にも、この現実を知っていただけたらと思っています。
 

私が作成した「親が倒れる前の介護準備チェックシート」にも、「親が飲んでいる薬・お薬手帳の場所を把握している」という項目を入れています。
 

今すぐ深刻な話をする必要はありません。
 

まずは、「お母さん、薬って今、一日何回飲んでいるの?」
 

そんな何気ない会話からでもいいのではないでしょうか?


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▼親が倒れる前の介護準備チェックシートはこちらから
 

▼親の介護や介護準備が気になっている方はこちらをご覧ください。
 

2026年09月11日 18:39

【第8回】地域包括支援センターで相談できることは、介護だけではありません

第8回

さいたま市で親の介護が心配になったら読む話

急な入院・介護で家族が慌てないためのやさしい準備

「地域包括支援センターに相談できるのは、介護保険のことだけ」そんなイメージを持っていませんか?
 

親の介護がまだ始まっていない。
要介護認定も受けていない。
介護サービスを使うほどではない。
 

そうすると、「うちはまだ相談する段階ではないかな」と思ってしまう方もいるかもしれません。
 

でも実は、地域包括支援センターはもっと幅広い相談ができる場所です。

さいたま市では「シニアサポートセンター」という名称で、高齢者本人やその家族などから、介護・福祉・医療をはじめ、さまざまな相談を受け付けています。
 

そして、「何について相談すればいいのか、自分でもよく分からない」という段階でも大丈夫です。

今回は、地域包括支援センターで実際にどのようなことを相談できるのか、身近な例から考えてみたいと思います。
 

相談できること①「最近、親の暮らしが少し心配」

介護というほどではないけれど、最近ちょっと気になる。
 

そんな時こそ、相談の入口になります。
 

たとえば、
 

・以前より外出しなくなった
・買い物が大変そうになってきた
・家の中が以前より片付かなくなった
・食事をきちんと取れているのか心配
・転びそうになることが増えた
・一人暮らしを続けて大丈夫なのか不安
 

こうした変化です。

一つひとつは小さなことかもしれません。
 

でも、小さな変化がいくつも重なってくると、これまで通りの暮らしを続けることが少しずつ難しくなっている可能性もあります。

家族として、「まだ介護ではないと思うけれど、このままで大丈夫かな」と感じたら、その不安を相談してみてもよいのです。
 

相談できること②「物忘れや認知症が気になる」

「最近、同じ話を何度もするようになった」

「約束を忘れることが増えた」

「薬を飲んだか分からなくなっている」

「冷蔵庫に同じものがいくつも入っている」
 

こうした変化を見ると、「認知症かもしれない」と心配になることがあります。
 

でも、家族だけでは、
 

年齢による物忘れなのか?
認知症の可能性があるのか?
病院へ連れて行った方がよいのか?
本人にどう話せばよいのか?
 

判断に迷います。
 

そんな時も、地域包括支援センターに相談できます。
 

いきなり本人に「認知症かもしれないから病院へ行こう」と言うのが難しい場合には、「家族としてこんな変化が気になっています」と、まず家族から相談することも一つの方法です。

家族だけで判断しようとせず、早めに相談先につながることが大切です。
 

相談できること③「医療や介護について、どこに聞けばよいか分からない」

親が高齢になると、医療と介護の問題が重なってくることがあります。
 

たとえば、
 

「退院後、一人暮らしに戻して大丈夫なのか?」

「訪問診療について知りたい?」

「介護保険はどのタイミングで申請すればいいのか?」

「どんな介護サービスがあるのか分からない」

「病院から退院を勧められたけれど、その後の生活が心配」
 

といったことです。
 

こうした時、家族は、
 

病院に聞くのか?
市役所に聞くのか?
介護事業所に聞くのか?
 

どこへ相談すればよいか分からなくなることがあります。
 

地域包括支援センターは、そうした時の「最初の相談先」の一つです。

必要に応じて、医療機関や介護サービス、行政など、適切な機関につながるための支援をしてくれます。
 

相談できること④「親のお金や権利のことが心配」

高齢になると、暮らしの中で別の心配も出てきます。
 

たとえば、
 

「訪問販売で高額な契約をしてしまったようだ」

「最近、知らない人とお金の話をしている」

「認知症が進み、お金の管理が難しくなっている」

「本人の財産や権利をどのように守ればいいのか分からない」

「家族だけで金銭管理をすることに不安がある」
 

こうした問題です。

地域包括支援センターには、高齢者の権利を守るための支援という役割もあります。
 

問題の内容に応じて、消費生活相談や成年後見制度など、必要な制度・専門機関につながるための支援を受けられる場合があります。

お金の問題は、家族の中だけでは話しづらいこともあります。

だからこそ、第三者に早めに相談することが大切です。
 

相談できること⑤「介護している家族自身がつらい」

忘れられがちですが、地域包括支援センターは、高齢者本人だけの相談窓口ではありません。
介護している家族の相談も大切な役割の一つです。
 

たとえば、
 

「親から何度も電話がかかってきて疲れている」

「仕事と介護の両立が難しくなってきた」

「兄弟が協力してくれない」

「親に強く言ってしまい、自己嫌悪になる」

「このまま介護を続けられるのか不安」
 

こうした家族介護者の悩みです。
 

介護をしていると、「一番大変なのは親なのだから、自分が弱音を吐いてはいけない」と思ってしまう人もいます。
 

でも、介護を続ける家族自身が疲れ切ってしまえば、親を支えることも難しくなります。
 

さいたま市のシニアサポートセンターでは、介護者同士が情報交換や交流をする「介護者サロン」も実施されています。

家族介護者自身が支えてもらうことも、とても大切です。
 

相談できること⑥「元気なうちから参加できる場所を知りたい」

地域包括支援センターは、「介護になった人を支援する場所」だけではありません。

元気な状態をできるだけ長く続けるための「介護予防」も大切な役割です。
 

たとえば、
 

「最近、家にいることが増えた」

「運動不足が心配」

「地域の人と交流できる場所を知りたい」

「体操や趣味の集まりに参加したい」
 

という相談もあります。
 

地域には、

体操教室
サロン
趣味の集まり
交流の場
 

など、さまざまな活動があります。
 

高齢になってからも、人とつながり、外へ出る機会を持つことは、暮らしを支える大切な要素です。

介護が必要になる前から、地域とのつながりを持っておく。

これも介護準備の一つだと思います。
 

「こんなことを相談していいのかな」と思ったら

ここまで読んで、「それでも、自分の悩みが相談対象なのか分からない」という方もいるかもしれません。

そんな時は、そのまま伝えてしまって大丈夫です。
 

「こんなことで相談していいのか分からないのですが...。」

「何について相談したらいいのか、自分でも整理できていないのですが...。」
 

そこから話を始めればよいのです。

相談する側が、問題をきれいに分類する必要はありません。
 

介護なのか?
医療なのか?
認知症なのか?
生活上の問題なのか?
 

それを一緒に整理するための相談窓口でもあります。
 

私が「前段階の整理」を大切にしている理由

私自身、さいたま市で介護準備や終活について活動していく中で、大切にしたいと思っていることがあります。

それは、「困りごとを抱えているけれど、まだどこに相談すればよいか分からない」という方の話を、まず一緒に整理することです。
 

親の状況を整理する。

家族が何を心配しているのか整理する。

親とどんな話をしたらよいのか考える。

必要な情報を書き出す。
 

そして、公的な支援や専門的な支援が必要なら、地域包括支援センターや適切な専門機関につながる。

私は、地域の中でそんな「つながる前の整理役」としても、お役に立てればと思っています。
 

今日からできる小さな一歩

今回は、親のことで気になっていることを、次の6つの中から考えてみてください。
 

① 日常生活のこと
② 医療・介護のこと
③ 物忘れ・認知症のこと
④ お金や権利のこと
⑤ 家族介護者自身のこと
⑥ 介護予防・地域とのつながり
 

どれか一つでも、「少し気になる」ことがあれば、まず書き出してみる。
 

そして、「これはどこに相談すればいいのだろう」と思ったら、地域包括支援センターを思い出してください。

地域包括支援センターで相談できることは、介護だけではありません。
 

暮らしのこと
健康のこと
認知症のこと
家族のこと
これからのこと

 

高齢になっても地域で安心して暮らしていくための、幅広い相談窓口です。

困りごとが大きくなってからではなく、「少し気になる」今のうちから。
 

地域には、頼れる場所があります。

知っておくことが、これからの安心につながります。
 

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2026年09月08日 19:11

第9回 もし、音や人や情報が多すぎる場所に迷い込んだら?

第9回

スーパーや駅も、混乱する場所になることがある

スーパーに入る。

たくさんの商品が並んでいる。
 

「本日の特売」

「おすすめ商品」

「お惣菜はこちら」

「飲み物はこちら」
 

店内には音楽が流れ、レジから電子音が聞こえ、周りではたくさんの人が動いている。
 

私たちにとっては、ごく普通のスーパーです。
 

でも、もし
 

どの音を聞けばよいのか?

どの表示を見ればよいのか?

どこへ行けばよいのか?
 

それをうまく整理できなくなったとしたら、どうでしょうか?
 

便利なはずのスーパーが、「情報が多すぎて、何をしたらいいのか分からない場所」に変わるかもしれません。

今回は、そんな「認知症世界」を一緒に歩いてみたいと思います。
 


9月は「認知症月間・世界アルツハイマー月間」です

その前に、今月だからこそ、ぜひ知っていただきたいことがあります。
 

9月は、日本では「認知症月間」、世界では「世界アルツハイマー月間」として、認知症への理解を深めるためのさまざまな取り組みが行われています。

そして9月21日は、「認知症の日・世界アルツハイマーデー」です。
 

認知症について知るというと、「症状を勉強する」「予防について学ぶ」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

もちろん、それも大切です。
 

でも私は、この9月を、「認知症のある方には、私たちと同じ世界がどのように見えているのだろう?」と考えてみる1か月にもできたらと思っています。

この連載も、そんな思いで続けています。
 


私たちは毎日、大量の情報を処理している

駅を思い浮かべてみてください。
 

「〇〇線はこちら」

「1番線」

「快速」

「各駅停車」

「〇時〇分発」

「出口はこちら」
 

アナウンスが流れる。

電車が到着する。

人が歩く。

発車ベルが鳴る。

スマートフォンを見る人、急いで走る人、会話をする人。
 

それでも私たちは、「必要な情報」と「今は必要ではない情報」を無意識に振り分けています。
 

自分が乗る電車の案内だけを見る。

周囲の会話は聞き流す。

関係のない広告は見ない。
 

こうした情報整理を、私たちは毎日のように行っています。
 

ところが、その整理が難しくなったら...。

一気に世界は変わります。
 


全部の情報が同じ強さで入ってきたら?

想像してみてください。
 

スーパーに入った瞬間、
 

店内放送。

レジの電子音。

子どもの声。

店員さんの声。

買い物客の会話。

商品パッケージの色。

「特売」の文字。

棚に並ぶ何百という商品。
 

それらが次々に自分の中へ入ってくる。

どれを無視してよいのか分からない。

どれが自分に必要な情報なのか分からない。
 

もしそんな状態だったら、買い物どころではないかもしれません。
 

「卵を買う」という一つの目的があったとしても、卵売り場にたどり着くまでに、あまりにも多くの情報があります。

だから、「何を買いに来たのか分からなくなる」ことが起きても不思議ではありません。
 


「どっちに行けばいいの?」が本当に分からない

駅ではさらに複雑です。
 

右にも矢印。

左にも矢印。

上にも案内板。

足元にも表示。

「〇〇線」

「△△方面」

「改札口」

「出口」
 

私たちなら必要な情報を探して、その方向へ進みます。
 

でも、必要な表示を選び取ることが難しければ、たくさんの案内があるほど、逆に分かりにくくなることもあります。
 

周囲からは、「ちゃんと案内板があるのに」と思う。
 

本人からすれば、「案内板が多すぎて、どれを見ればいいのか分からない」のかもしれません。

ここでも、周囲から見えている世界と、本人から見えている世界が違います。
 


人が多いだけでも、大きな負担になることがある

「人混みが苦手」

という方は、認知症の有無に関係なくいます。
 

でも、情報を整理することが難しくなっていると、人が多い場所はさらに負担になることがあります。
 

前から人が来る。

後ろから人が来る。

誰かに追い越される。

誰かが話しかける。

どこからか音がする。

自分がどちらに進めばいいのか分からない。
 

すると、
 

立ち止まってしまう。

急に帰りたくなる。

不機嫌になる。

「もう嫌だ」と言う。
 

周囲から見ると、「せっかく連れてきたのに」「どうして急に帰りたがるの?」と思うかもしれません。

でも本人は、「わがままを言っている」のではなく、「情報が多すぎて、もう処理できない」状態なのかもしれません。
 


「認知症だから外出しない方がいい」ではない

ここで誤解してほしくないことがあります。
 

今回お伝えしたいのは、「認知症になったらスーパーや駅に行かない方がよい」という話ではありません。
むしろ逆です。
 

買い物をする。

電車に乗る。

カフェへ行く。

地域の人と会う。
 

こうしたことは、その人らしい暮らしを続けていくうえで大切なことです。

だからこそ、「行けない」と決めつけるのではなく、「どうしたら行きやすくなるだろう?」と考えたいのです。
 


少しの工夫で、分かりやすい世界になることもある

例えばスーパーなら、

  • 比較的すいている時間帯に行く

  • いつも同じ店を利用する

  • 買う物を少なくする

  • メモや写真を使う

  • 一緒に買い物をする

駅なら、

  • 時間に余裕を持つ

  • 混雑する時間を避ける

  • 乗り換えの少ないルートを選ぶ

  • 必要な情報を一つずつ伝える

すべての方に同じ方法が合うわけではありません。

大切なのは、「本人に世界を合わせてもらう」だけではなく、「私たちの側から、世界を少し分かりやすくする」という発想を持つことなのだと思います。
 


「早くして」と言われる世界を想像してみる

情報がうまく整理できない。

どちらに行けばよいか分からない。
 

そんな状態で、後ろから、「早くして」と言われたらどうでしょう。
 

レジで財布からお金を出そうとしていると、後ろに人が並んでいる。

駅の改札でICカードを探していると、後ろから人が近づいてくる。

焦れば焦るほど、さらに分からなくなる。
 

そんなこともあるでしょう。

だからこそ、認知症のある方にとって、「少し待ってくれる人がいる」ということは、とても大きな安心なのかもしれません。
 


認知症にやさしい社会は、誰にとってもやさしい社会

表示が分かりやすい。

説明が簡潔。

困っている人に声をかける。

急がせない。

少し待つ。
 

こうした社会は、認知症のある方だけに必要なものではありません。
 

高齢者。

障害のある方。

外国から来た方。

小さな子どもを連れた方。

初めてその場所を訪れた方。
 

誰にとっても暮らしやすい社会につながります。

認知症について考えることは、「特別な誰か」のためだけではなく、「私たち自身が安心して年齢を重ねられる社会を考えること」でもあるのではないでしょうか?
 


「困った人」ではなく、「困っている人」へ

第6回では、「見えているのに、見つけられない世界」

第7回では、「時間が分からない世界」

第8回では、「言いたいのに、言葉にならない世界」

そして今回は、「音や人や情報が多すぎる世界」
 

少しずつ「本人から見えている世界」を旅してきました。
 

スーパーで立ち止まっている人。

駅で何度も案内板を見ている人。

レジで時間がかかっている人。

その姿を見たとき、

「困った人だな」
 

ではなく、「もしかすると、この人は今、困っているのかもしれない」と考えられる人が一人増える。

それだけでも、認知症のある方が暮らしやすい社会に少し近づくのではないでしょうか?
 


9月だからこそ、一度考えてみませんか?

9月は「認知症月間・世界アルツハイマー月間」です。

そして9月21日は、「認知症の日・世界アルツハイマーデー」です。
 

認知症について考えるこの時期に、「認知症とはどんな病気か?」だけではなく、「認知症になったとき、自分はどんな地域で暮らしたいだろう?」ということも考えてみませんか?
 

困っていたら声をかけてもらえる。

時間がかかっても急かされない。

分からなくなっても安心できる。
 

そして、認知症になっても、好きな場所へ行ける。
 

そんな社会であってほしい。

私はそう思います。
 


次回は「買い物」という日常を、もう少し深く考えます

今回、スーパーの例を取り上げました。

でも考えてみると、「買い物をする」という行動には、実はたくさんのことが含まれています。
 

何を買うか決める。

商品を探す。

値段を見る。

必要な量を考える。

レジへ行く。

お金を払う。

商品を持ち帰る。
 

次回、第10回は、「買い物をする」って、実はこんなに難しいをテーマに、「できる・できない」だけでは見えない認知症世界を一緒に考えてみたいと思います。
 


9月27日、「認知症世界」を一緒に旅してみませんか?

このnoteでは文章を通じて、「本人には、この世界がどのように感じられているのだろう?」ということを考えてきました。
 

そして9月27日には、「認知症世界の歩き方」公認ファシリテーター(旅のガイド)として、実践ワークショップを開催します。
 

読むだけでなく、

考える。

感じる。

そして参加者同士で対話する。
 

そんな「認知症世界の旅」を一緒にしてみませんか?
 

ご家族に認知症のある方だけでなく、医療・介護・福祉関係者、地域で認知症について考えたい方、そして「今はまだ自分には関係ない」と感じている方にも参加していただけたらと思います。
 

▼「認知症世界の歩き方」実践ワークショップ
 

※認知症の症状や困りごとの現れ方には個人差があります。本記事は、すべての認知症のある方が同じように感じるという意味ではありません。

 

2026年09月07日 13:11

【第7回】初めての地域包括支援センター 相談の流れと準備しておくと安心なこと

第7回

さいたま市で親の介護が心配になったら読む話

急な入院・介護で家族が慌てないためのやさしい準備

「地域包括支援センターに相談してみようかな...。」
 

そう思っても、初めて電話をする時には少し勇気がいるものです。
 

「こんなことで相談していいのかな?」

「何から説明すればいいんだろう?」

「親本人も一緒に行かないといけないの?」

「まだ介護認定を受けていないけれど大丈夫?」

「何か資料を持って行った方がいい?」
 

そんな疑問から、相談することを先延ばしにしてしまう方もいるかもしれません。
 

でも、地域包括支援センターへの相談は、それほど難しく考える必要はありません。

さいたま市では、地域包括支援センターを「シニアサポートセンター」と呼んでいます。
 

介護が始まった人だけではなく、
 

「最近、親の様子が少し気になる」

「この先のことが心配」
 

という段階でも利用できる、地域の身近な相談窓口です。
 

今回は、初めて相談する時の流れと、事前に少し整理しておくと安心なことをお伝えします。
 

まずは電話一本からでも大丈夫

初めて相談する場合、まずは担当するシニアサポートセンターに電話してみるのがおすすめです。
 

いきなり完璧に状況を説明する必要はありません。
 

たとえば、
 

「80代の母が一人暮らしをしているのですが、最近少し物忘れが増えて心配で...」

「父の足腰が弱ってきて、この先どうすればいいのか相談したいのですが...」

「まだ介護というほどではないのですが、今のうちに何を準備しておけばいいでしょうか?」
 

このくらいからで十分です。
 

最初から、
 

「要介護認定を申請したい」

「このサービスを利用したい」
 

と目的が明確になっていなくても構いません。
 

まずは、「何となく心配」を言葉にしてみる。

そこから専門職の方が話を聞き、必要な情報を一緒に整理してくれます。
 

「何を相談したいか分からない」でも大丈夫

家族介護の相談で難しいのは、自分でも問題を整理できていないことです。
 

たとえば、
 

親の物忘れが気になる。

でも認知症なのかは分からない。

一人暮らしも心配。

最近、転びそうになることも増えた。

病院には通っているらしいけれど、詳しくは知らない。

将来介護になった時のことも心配。
 

そうすると、「結局、私は何について相談したいのだろう」となってしまいます。
 

でも、それで大丈夫です。
 

むしろ、最初の相談は、「何が問題なのか一緒に整理するところ」から始まってもよいのです。

家族だけで問題をきれいに整理してから相談しなければならない、ということはありません。
 

本人が一緒でなくても、まず家族から相談できる

親自身は、
 

「私はまだ大丈夫」

「そんなところに相談する必要はない」
 

と言うこともあります。
 

そんな時、「本人が行きたがらないから相談できない」と思ってしまうかもしれません。
 

でも、まず家族から相談するという方法があります。
 

たとえば、
 

「母はまだ困っていないと言っているのですが、家族としては少し心配です」

「父にはまだ話していないのですが、どのように話をしたらいいでしょうか?」
 

そんな相談から始めてもよいのです。
 

本人を無理に連れて行くことよりも、まず家族が状況を整理し、どのような対応が考えられるのかを知る。

それも大切な第一歩です。
 

相談前にメモしておくと安心なこと

もちろん、何も準備せず相談しても構いません。
 

ただ、初めての相談では緊張して、伝えたかったことを忘れてしまうことがあります。
 

そこで、簡単なメモを作っておくことをおすすめします。

① まず「一番気になっていること」

たとえば、
 

・物忘れが増えた
・転倒が心配
・一人暮らしが不安
・薬をきちんと飲めているか心配
・介護保険の仕組みが分からない
・家族だけでは支えきれそうにない
 

などです。
 

一番気になることを一つ書いておくだけでも、話しやすくなります。
 

② 親の基本情報

分かる範囲で十分です。
 

・年齢
・住んでいる場所
・一人暮らしか、同居か
・主な病気
・通院先
・現在利用しているサービス
・日常生活でできていること、難しくなっていること
 

すべて分からなくても問題ありません。

「分からない」ということ自体が、これから確認すべきことになります。
 

③ 最近変わったこと

とても大切なのが、「以前と比べて何が変わったか?」です。
 

たとえば、
 

「同じ話を繰り返すようになった」

「外出しなくなった」

「家の中が以前より散らかるようになった」

「薬が余っていることが増えた」

「転ぶことが増えた」

「請求書や郵便物がたまっている」
 

など。
 

具体的な変化が分かると、相談員の方も状況を把握しやすくなります。
 

聞きたいことを3つくらい書いておく

相談の時には、質問もメモしておくと安心です。
 

たとえば、
 

「今の段階で介護認定は必要ですか?」

「物忘れについては、どこに相談すればよいですか?」

「一人暮らしを支えるサービスはありますか?」

「地域で参加できる体操教室や集まりはありますか?」

「今のうちに家族が準備しておくことはありますか?」

「親本人には、どのように話をすればよいでしょうか?」
 

全部聞こうとしなくても構いません。
 

まずは一番知りたいことからで大丈夫です。
 

相談すると、その場ですべて決まるわけではない

地域包括支援センターに相談したからといって、
 

すぐ介護認定を受ける。

すぐ介護サービスを使う。

すぐ施設を探す。
 

ということではありません。
 

まず状況を聞いてもらう。

必要な情報を教えてもらう。

必要であれば、医療機関や介護サービス、行政、地域活動などにつないでもらう。
 

そのように、一つずつ整理していきます。
 

ですから、「相談したら大ごとになってしまうのでは?」と心配しすぎる必要はありません。
 

相談することは、「何かを決めることではなく、選択肢を知ること」でもあります。
 

相談した後は「次に何をするか」を確認する

相談を終える時には、「では、次に家族は何をすればよいでしょうか?」と聞いてみることをおすすめします。
 

たとえば、
 

・主治医に相談してみる
・介護認定について検討する
・家の中の安全を確認する
・本人と少し話をしてみる
・地域の介護予防教室に参加してみる
・しばらく様子を見て、変化があれば再度相談する
 

など、次の一歩が見えてくることがあります。
 

相談の目的は、すべての問題を一度で解決することではありません。

「次にどうすればいいか分かる」だけでも、大きな意味があります。
 

私自身も、地域包括支援センターとのつながりを大切にしたい

私は、さいたま市で介護準備や終活についての活動をしています。
 

そして、地域の方から相談を受けた時に大切にしたいと思っていることがあります。

それは、「自分だけで問題を抱え込まず、必要な時には適切な公的支援や専門機関につなぐこと」です。
 

介護準備や終活の相談では、
 

「何から考えればよいか分からない」

「親とどう話せばよいか分からない」

「家族の考えがまとまらない」
 

という、支援につながる前段階の悩みも多くあります。
 

私は、そうした部分を一緒に整理しながら、必要に応じてシニアサポートセンターなどにつながりやすくする役割を、地域の中で担っていければと思っています。
 

今日からできる小さな一歩

今回の小さな一歩は、「親について気になっていることを、3つだけ書き出してみる」ことです。
 

たとえば、
 

「最近、同じ話が増えた」

「薬を飲み忘れているかもしれない」

「一人暮らしを続けて大丈夫か心配」
 

この程度で十分です。
 

そして、そのメモを見て、「一度、シニアサポートセンターに聞いてみようかな」と思ったら、まず電話してみてください。
 

完璧な説明は必要ありません。

専門用語も必要ありません。
 

「親のことで少し心配なことがあって...」

その一言からで大丈夫です。
 

介護準備で大切なのは、すべてを自分で解決できるようになることではありません。

困った時に相談できる人や場所を知っていること。
 

それも、とても大切な「備え」の一つです。

地域でつながることで、これからの安心は少しずつ作っていけます。
 

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2026年09月04日 14:51

【第4回】介護費用は月9万円だけではない―平均数字の正しい見方

第4回

全20回連載 「老後資金を増やす前に 介護で失わない家計のつくり方」

親の介護、自分たちの介護、仕事とお金―50代・60代が今から考えたい20の現実

「介護には月9万円かかる」と聞いたら、どう考えますか?

介護費用について調べると、「介護費用は月平均9万円」という数字を目にすることがあります。
 

すると、「月9万円くらい準備しておけばいいのかな?」と思う方もいれば、「そんなにかかるの?」と不安になる方もいるでしょう。
 

しかし、私はこの「平均9万円」という数字だけで介護資金を考えることには注意が必要だと思っています。
 

なぜなら、介護にかかるお金は、
 

・在宅介護か施設介護か?
・介護が何年間続くか?
・要介護度はどの程度か?
・どのサービスを使うか?
・本人の年金や預貯金はいくらあるか?
 

などによって、大きく変わるからです。
 

大切なのは、「平均はいくらか?」ではなく、「自分の家庭では何が起こりそうか?」を考えることです。
 

「月9万円」の出どころを確認してみましょう

公益財団法人生命保険文化センターの「2024年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、過去3年間に介護経験がある人が負担した介護費用は、
 

一時的な費用 平均47.2万円
月々の費用 平均9.0万円
 

となっています。
 

この費用には、公的介護保険サービスの自己負担費用も含まれています。
 

また、一時的な費用には、住宅改造や介護用ベッドの購入なども含まれます。
 

【引用・参考】
公益財団法人 生命保険文化センター
「介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?」
https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifesecurity/1116.html


ここでまず知っておきたいのは、「月9万円」だけが介護費用ではないということです。

介護が始まる際には、住宅環境を整えたり、介護用品を用意したりするなど、まとまった費用が必要になるケースもあります。
 

在宅と施設では、平均費用が大きく違います

同じ調査を介護場所別に見ると、月々の介護費用は、
 

在宅介護 平均5.3万円

施設介護 平均13.8万円
 

となっています。
 

平均9万円という数字の中には、こうした異なる介護の形が一緒に入っています。
 

つまり、「平均9万円だから、自分も月9万円」とは限らないのです。
 

親が、「できるだけ自宅で暮らしたい」と考えているのか?
それとも、「子どもには迷惑をかけたくないから、必要なら施設も考えたい」と思っているのか?
 

この違いによって、必要となるお金の考え方も変わってきます。
 

だからこそ、マネープランを作る前に、「本人がどのような介護を希望しているのか?」を確認することが重要なのです。
 

介護は「月額」だけでなく「期間」で考える

もう一つ重要なのが、介護期間です。
 

生命保険文化センターの同じ調査では、介護期間の平均は、55.0カ月=4年7カ月となっています。

さらに、4年を超えて介護した人も約4割います。
 

もちろん、「介護は必ず4年7カ月続く」という意味ではありません。

短期間で終わる方もいれば、10年以上続く方もいます。
 

つまり介護費用には、「毎月いくら?」という問題と、「それが何年続くか?」という二つの不確定要素があります。

よって、「平均月9万円×平均期間」だけで自分の必要介護資金を決めることにも注意が必要です。
 

平均値はあくまでも参考材料。

自分の家庭の予算を決める数字そのものではありません。
 

介護保険があるから大丈夫、とは限りません

日本には公的介護保険制度があります。
 

介護保険サービスを利用する場合、原則としてサービス費用の1割を本人が負担し、一定以上の所得がある人は2割または3割負担となります。
 

これは非常に重要な制度です。
 

しかし、「介護保険があるから、介護に必要なお金はほとんど心配しなくてよい」という意味ではありません。
 

例えば介護保険施設を利用する場合、介護サービス費の自己負担とは別に、
 

・居住費
・食費
・日常生活費
 

などの負担が必要になります。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「サービスにかかる利用料」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
 

在宅介護にも「限度額」があります

在宅で介護保険サービスを利用する場合も、好きなだけ1割、2割、3割負担でサービスを使えるわけではありません。
 

要介護度ごとに、1カ月に利用できる介護保険サービスの「支給限度額」が設定されています。
 

例えば、厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、1カ月あたりの利用限度額として、
 

要介護1 167,650円
要介護3 270,480円
要介護5 362,170円
 

などが示されています。
 

この範囲内なら原則1~3割負担ですが、限度額を超えてサービスを利用した場合、その超過部分は全額自己負担となります。
 

つまり、「在宅なら安い」「介護保険があるから安心」と単純には言えないのです。
 

高額介護サービス費という仕組みもあります

一方で、介護サービスの自己負担が高額になりすぎないよう、「高額介護サービス費」という仕組みもあります。
 

所得に応じて月額の負担上限が設定され、対象となる介護サービス費の自己負担が上限を超えた場合、超えた分が支給されます。
 

ただし、食費や居住費など一部の費用は、この上限制度の対象外です。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「高額介護サービス費」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/commentary/fee.html
 

こうした制度を知っているかどうかでも、実際の家計負担は変わってきます。
 

「介護保険外のお金」も見落としやすい

さらに見落としやすいのが、介護保険の給付対象外となる費用です。
 

厚生労働省の介護サービス情報公表システムでは、介護給付以外のサービス費用として、
 

・通常の事業実施地域以外でサービスを受ける場合の交通費
・通所介護での食事費
・施設での居住費
・日常生活費
 

などが例として示されています。
 

【引用・参考】
厚生労働省 介護サービス情報公表システム
「いくらでサービスを提供しているか」
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/care_services_guide/care_services_guide_03.html
 

さらに家庭側にも、
 

遠距離介護であれば実家への交通費。

病院や施設を訪問するための費用。

介護のために仕事を休むことで生じる収入減少。
 

などが発生する可能性があります。
 

こうした費用は、「介護サービスの自己負担額」だけを見ていては分かりません。
 

本当に怖いのは「介護費用+収入減少」

私は、50代・60代の方が介護のお金を考える際に、特に見落としてはいけないのが、「介護費用と収入減少が同時に起こる可能性」だと考えています。
 

例えば、親の介護のため月々の支出が増える。
 

その一方で、
 

通院同行のため休暇を取る。

残業ができなくなる。

出張を断る。

役職を辞退する。

短時間勤務になる。

そして場合によっては、介護離職をしてしまう。
 

すると、「介護に使うお金が増える」と同時に、「自分の収入が減る」ということになります。
 

介護費用を考えるときには、支出だけでなく、「仕事と収入への影響」までセットで考える必要があるのです。
 

平均額を「必要資金」にしてはいけない

介護費用について、
 

平均47.2万円。

月平均9万円。

平均4年7カ月。
 

こうした数字を知ることには意味があります。
 

しかし、平均値をそのまま自分の家庭の必要資金にしてしまうことには注意が必要です。
 

本当に確認すべきなのは、
 

① 親はどこで介護を受けたいのか?

② 親自身の年金はいくらあるのか?

③ 親の預貯金などを介護にどこまで使えるのか?

④ 兄弟姉妹など、家族でどのように支えるのか?

⑤ 自分の仕事や収入への影響はどの程度ありそうか?
 

ということです。
 

この5つが分からないまま、「平均月9万円だから...」と考えても、本当のマネープランにはなりません。
 

介護費用は「誰のお金から出すか」を決めることが大切

もう一つ重要なのは、「いくらかかるか?」以上に、「誰のお金から出すのか?」です。
 

親の介護が始まったとき、その都度子どもの財布から出していると、自分たちの家計と親の介護費用の境界が分からなくなっていきます。
 

基本的には、
 

親の年金。

親の預貯金。

親の保険。

親が保有するその他の資産。
 

などを確認し、「親自身のお金を中心に介護計画を立てる」ことが大切です。
 

そのうえで不足する場合に、誰がどこまで支援するのか?

兄弟姉妹でどう分担するのか?
 

を考えます。
 

「足りなければ子どもが払えばいい」という曖昧な状態にしておかないことが、自分たちの老後を守るうえでも重要です。
 

今日からできること――親の「介護のお金」を4つに分けてみる

親が元気な今、次の4項目を確認してみてください。

① 毎月入ってくるお金

・公的年金
・企業年金
・その他の定期収入

② 現在持っているお金

・預貯金
・保険
・金融資産

③ 介護が始まった際に必要となりそうなお金

・介護サービス
・住まい
・食費
・介護用品
・その他の生活費

④ 子ども側に影響しそうなお金

・交通費
・仕事を休むことによる収入減少
・一時的な立て替え
・その他の負担
 

すべての金額が分からなくても構いません。
 

まずは、「何が分かっていて、何が分かっていないのか?」を整理してみてください。
 

介護のお金を考える第一歩になります。
 

老後資金を増やす前に、介護で失わない仕組みをつくる

老後資金を考えると、「いくら貯めるか?」「どのくらい運用するか?」という話になりがちです。
 

しかし、親の介護について、
 

どこで介護するのか?

誰が動くのか?

どのお金を使うのか?

自分は仕事をどう続けるのか?
 

が決まっていなければ、本当の意味で自分たちの老後資金を計算することはできません。
 

介護費用の「平均」を知るだけで終わらない。
 

自分の家族の場合に置き換えて考える。
 

そして、「老後資金を増やす前に、介護で失わない仕組みをつくる。」これが大切だと私は考えています。
 

次回予告

第5回は、「介護保険があっても、すべての費用が賄えるわけではない」をテーマにお伝えします。
 

介護保険で利用できるサービス。

自己負担となる費用。

保険外サービス。

施設費用。

そして家族側で発生する見えにくい費用。

「介護保険があるから何とかなる」と考える前に、知っておきたいポイントを整理していきます。
 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「介護と老後資金」を一度整理してみませんか?

━━━━━━━━━━━━━━━━━━

介護費用は、単純に「平均月9万円」で考えられるものではありません。
 

親の希望。

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※無料相談は、お一人様1回です。
※金融商品の販売や強引な勧誘を目的とした相談ではありません。

2026年08月29日 19:20

想定外の介護|第7回「今日はお風呂に入らない」だけではなかった。入浴拒否という介護の現実

第7回

家族なら簡単に勧められる――そう思っていた

※この記事は、私自身の父の介護経験と、介護現場で起こり得る事例をもとに、本人の尊厳と個人情報に配慮して構成しています。また、介護施設の対応を批判するものではありません。日々父の様子を見ながら、入浴につながるよう工夫してくださっている施設職員の方々から状況を共有いただいたことで、家族が初めて知ることのできた介護の現実です。


「お父さまは、対応の仕方によっては入浴を拒否されます」

父について施設の方から状況を教えていただいた時、気になったことの一つが「入浴」でした。
施設の方からは、「上手に対応しないと、『面倒だから』と入浴を拒否されることがあります」という話がありました。
 

私は最初、「お風呂に入りたくない日くらいはあるだろう」と考えました。

自分自身だって、疲れていれば、「今日はもういいかな」と思うことがあります。
 

でも、介護の中での「入浴拒否」は、それだけではないことを知りました。
 


「お風呂に入る」という行動には、いくつもの段階がある

元気な時は、「お風呂に入ろう」と思えば、自分で浴室へ行き、服を脱ぎ、身体を洗い、湯船につかり、身体を拭いて着替える。

何気なくやっています。
 

ところが、高齢になり身体機能や認知機能が変化すると、この一連の行動そのものが負担になることがあります。
 

立ち上がる。

浴室まで歩く。

服を脱ぐ。

寒さを感じる。

浴室へ入る。

身体を洗う。

立ったり座ったりする。

再び服を着る。
 

私たちにとっては一つの「入浴」という行為でも、本人にとっては、いくつもの動作の連続です。
 

「面倒だ」という言葉の裏には、本当に面倒という気持ちだけでなく、
 

疲れる。

動きたくない。

寒い。

怖い。

今していることを中断したくない。

なぜ入浴しなければならないのか分からない。
 

といった、さまざまな理由が隠れていることもあるのだと思います。
 


家族は、つい「入った方がいいよ」と言ってしまう

もし父が自宅にいて、「今日はお風呂に入らない」と言ったら。
私はどうするだろう、と考えました。
 

おそらく、
 

「昨日も入っていないでしょう」

「入った方がさっぱりするよ」

「身体をきれいにした方がいいよ」
 

そんな言葉をかけると思います。
 

でも、こちらが正しいと思って言っていることが、本人には、「無理やりやらされる」と感じられるかもしれません。
 

そして、
 

「嫌だ」

「今日は入らない」
 

と、さらに拒否が強くなる可能性もあります。
 

介護では、正しいことを伝えれば本人が納得するとは限らない。

これも、私には十分に想像できていなかったことでした。
 


「家族だから言うことを聞いてくれる」とも限らない

親子だから、本人のことをよく分かっている。

だから家族ならうまく対応できる。
 

そんなふうに考えることもあるでしょう。

でも、実際には逆のこともあります。
 

家族だからこそ、
 

「分かっているよ」

「何度も言わないで」

「子どもにそんなことを言われたくない」
 

と反発されることがあります。
 

昔は親が子どもを世話していた関係です。
 

その子どもから、
 

「お風呂に入った方がいい」

「薬を飲んで」

「トイレに行こう」
 

と言われる。
 

親にとって、その関係の変化自体が受け入れにくいこともあるのかもしれません。
 


施設では「入浴させる」だけではなかった

父が施設で入浴できているのは、「今日はお風呂の日だから入ってください」と言われ、そのまま素直に入っているからではありません。
 

父の気分。

体調。

その時何をしているか?

どの職員さんが声をかけるか?

どんな言葉を使うか?
 

そうしたことを見ながら、施設の方が対応してくださっているのだと思います。
 

私は施設からこの話を聞いて、「入浴介助とは、身体を洗うことだけではない」と感じました。

浴室へ行ってもらうまでにも、介護がある。
 

本人が納得し、動き出せるようにするところから、すでに介護は始まっているのです。
 


一回入らなくても、すぐ重大な問題になるわけではない

もちろん、一度入浴を断ったからといって、それだけで大きな問題になるわけではありません。
 

体調が悪い日もあります。

疲れている日もあります。

本人がどうしても嫌な日もあるでしょう。
 

大切なのは、単純に、「入浴拒否=問題行動」と考えないことだと思います。
 

ただ、それが何度も続けば、別の問題につながる可能性があります。
 

汗や皮脂による不快感。

皮膚の状態。

排せつ後の清潔保持。

褥瘡や皮膚トラブルの確認。

そして本人自身の快適さ。
 

特に高齢者は皮膚が弱くなっている場合もあり、清潔を保つことと身体状態を確認することは密接につながっています。

つまり入浴は、単に「身体をきれいにする時間」ではないのです。
 


排せつの問題ともつながっていた

第4回では、父母の排せつについて書きました。

排せつ後には、皮膚の状態を確認する必要がある。

清潔を保たなければ、皮膚がただれてしまう可能性もある。
 

そう考えると、排せつと入浴も別々の問題ではありません。
 

排せつ。

清潔保持。

皮膚状態。

着替え。

入浴。
 

すべてが生活の中でつながっています。
 

介護が始まる前の私は、
 

「トイレの介助」

「入浴介助」

「服薬管理」
 

と、一つひとつを別々の介護としてイメージしていました。
 

でも実際には、一つの問題が次の問題につながっています。

これもまた、「想定外の介護」でした。
 


在宅介護なら、誰がその働きかけをするのか?

ここで私は、また自宅介護に置き換えて考えてしまいます。
 

もし父が自宅にいて、「今日は入らない」と言ったら...。
 

誰が声をかけるのか?

一度断られたら、時間を置いてもう一度勧めるのか?

強く言わずに、どう気持ちを向けてもらうのか?
 

家族が仕事から帰ってきた夜に、「さあ、お風呂に入ろう」と言っても、その時には父が疲れているかもしれません。
 

翌朝なら、家族は仕事があります。

介護は、「身体を洗えば30分」という単純な時間計算ではできないのです。
 

本人が動く気持ちになるまでの時間も、介護の時間になることがあります。
 


介護では「拒否」が起こることがある

入浴だけではありません。
 

介護では、
 

薬を飲みたくない。

病院へ行きたくない。

デイサービスへ行きたくない。

ヘルパーを家に入れたくない。

施設には入りたくない。
 

そんな「嫌だ」が起こることがあります。
 

家族からすれば、「本人のためなのに...」と思います。
 

でも本人には、本人なりの理由があります。
 

そして、「本人にとって必要なことと、本人がやりたいことが一致するとは限らない。」

ここに介護の難しさがあります。
 


「お風呂くらい」と思っていた

私は父の入浴の話を聞くまで、入浴がそれほど大きな介護問題になるとは考えていませんでした。
 

身体を支える。

浴室で転ばないよう見守る。
 

そうした身体介助は想像していました。
 

でも、「そもそも、お風呂に入ってもらえない」という段階があることまでは、考えていませんでした。
 

しかも、対応の仕方によって本人の反応が変わる。

これは、介護技術だけではなく、人との関わりそのものです。
 


施設の方の「見えない介護」

家族が面会に行った時、父が清潔な服を着て、普通に座っている。
その姿を見れば、「ちゃんと過ごせている」と思います。
 

でも、その姿になるまでには、
 

排せつへの対応。

着替え。

服薬。

食事。

入浴。

本人への声かけ。
 

さまざまな支援があります。
 

そして、その多くを家族は見ていません。
 

今回、施設の方から父の入浴について教えていただいたことで、私は、「家族には見えない介護が、毎日の生活の中にたくさんある」ことに改めて気づきました。
 


想定外の介護は「できなくなる」だけではない

介護というと、
 

歩けなくなる。

トイレに行けなくなる。

薬を管理できなくなる。
 

そうした「できなくなること」を想像します。
 

しかし、
 

本人が嫌がる。

拒否する。

納得してくれない。

ということもあります。
 

身体的にはできる。でも、本人がやりたくない。

これも、介護では大きな問題になります。
 

だから、
 

「まだ歩けるから大丈夫」

「自分で身体を洗えるから大丈夫」
 

それだけでは分からないことがあります。
 


「うちの親なら大丈夫」と思っていても

元気な親に「将来、お風呂に入りたくないって言い出すかもしれないね」と話しても、「そんなことはない」と笑われるかもしれません。

本人も、今はそう思っているでしょう。
 

でも、

高齢になる。

病気になる。

身体が思うように動かなくなる。

認知機能が変化する。
 

そうすると、本人の感じ方や行動が変わることがあります。
 

今の親を見て、「うちの親なら大丈夫」と思っていても、介護が必要になった時にも同じとは限りません。

私は父母を見ながら、そのことを何度も感じています。
 


介護は「やってあげれば終わる」ものではなかった

第4回では排せつ。

第5回では、治療の影響で退院後の生活が変わったこと。

第6回では、朝は普通だった父が数時間後に緊急搬送されたこと。
 

そして今回の入浴拒否。
 

内容はまったく違います。

でも、一つ共通しています。
 

私が事前に想像していた介護よりも、実際の介護はずっと複雑だったということです。
 

介護者が何かを「やってあげる」。

それだけでは終わりません。
 

本人がどう感じるか?

受け入れてくれるか?

その日の体調はどうか?

昨日うまくいった方法が、今日もうまくいくか?
 

その都度変わります。
 

これもまた、介護は一つの出来事ではなく、想定外が次々と起こるものだと感じる理由です。
 


この連載で伝えたいのは、「介護は怖い」ということではありません。「そんなこともあるのか...」と知っていただくことです。
 

知らなければ、起きた時に驚きます。
 

私自身がそうでした。
 

「お風呂に入る」

という、ごく普通の日常の中にも、介護の想定外はあります。
 

親が今、元気に自分でお風呂に入っているうちは、なかなか想像できないことかもしれません。
 

だからこそ、元気な今のうちに、「介護って、こういうことまで起こるんだ」と知っておくことにも意味があるのではないでしょうか?
 

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▼親の介護や介護準備が気になっている方はこちらをご覧ください。

2026年08月26日 19:29

見るだけでも、拍手だけでも楽しめる―敬老会で大切にしたい「参加のかたち」

連載⑫

レクが変わると、施設が変わる。

介護施設では、日頃から職員の皆さまが、利用者様一人ひとりの状態や好みを考えながら、さまざまなレクリエーションを工夫されていることと思います。
 

「今日はどんなことなら楽しんでいただけるだろう。」

「普段あまり参加されない方にも、無理なく楽しんでもらうにはどうしたらいいだろう。」

「せっかくの敬老会だから、皆さんに良い時間を過ごしていただきたい。」
 

そんなことを考えながら企画されている施設も多いのではないでしょうか?
 

私自身、介護施設のレクリエーションについて考える中で、改めて大切だと感じることがあります。
 

それは、「参加する」ということには、いろいろな形があっていいのではないか?ということです。
 

今回は、敬老会という特別な機会を前に、皆さまと一緒に「参加のかたち」について考えてみたいと思います。
 


同じレクでも、楽しみ方は一人ひとり違う

介護施設には、さまざまな利用者様がいらっしゃいます。
 

歌がお好きな方。

身体を動かすことがお好きな方。

人前に出ることが好きな方。

反対に、大勢の中では少し控えめに過ごしたい方。
 

その日の体調によって、いつもとは違う過ごし方をされる方もいらっしゃるでしょう。
 

職員の皆さまは、日頃からそうした違いを見ながら、その方に合った声かけや関わりをされていると思います。
 

だからこそ、敬老会のように多くの方が一緒に過ごす場でも、「みんなが同じことをする」ことだけが参加ではないと考えてもよいのではないでしょうか?


見ていることも、立派な「参加」かもしれない

たとえば、何か楽しい催しが始まったとします。
 

積極的に体験される方もいる。

手拍子をされる方もいる。

笑顔で眺めている方もいる。

隣の職員に「すごいね」と話しかける方もいる。
 

一見すると「見ているだけ」に見える方でも、表情が変わったり、周りの人との会話が生まれたりすることがあります。
 

そう考えると、
 

見ること。
拍手すること。
笑うこと。
誰かと気持ちを共有すること。

 

これらも、その方なりの大切な参加なのだと思います。
 

何かを「できたかどうか」だけではなく、その時間をどう感じていたか?にも目を向けてみる。

そんな見方があってもよいのではないでしょうか?
 


「やってもらう」より、「楽しみ方を選べる」レクへ

敬老会だからこそ、できるだけ多くの利用者様に楽しんでいただきたい。

これは、多くの施設に共通する思いだと思います。
 

そのために一つ考えられるのが、参加方法を一つに決めすぎないことです。
 

たとえば、
 

しっかり参加して楽しむ。

できる範囲で少し体験してみる。

拍手や手拍子で加わる。

座ったまま眺める。

職員と一緒に楽しむ。

途中から興味を持って参加する。
 

どれも、その方にとっての参加です。
 

「全員参加」を、「全員が同じことをすること」ではなく、「それぞれが自分なりの形で、その時間に関われること」と捉えてみると、敬老会の企画にも少し違った可能性が見えてくるように思います。
 


職員と一緒だから、安心して楽しめることもある

利用者様にとって、普段から関わっている職員の存在はとても大きいと思います。
 

初めて見るものに少し戸惑っているとき。

普段とは違うイベントで緊張しているとき。
 

隣に顔なじみの職員がいて、
 

「面白いですね」と声をかけてくれる。

一緒に拍手をしてくれる。

笑顔で楽しんでいる。
 

それだけで、安心してその場にいられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 

だから私は、敬老会では、「職員の皆さま自身が、利用者様のそばで一緒に楽しめる時間があること」も、とても大切だと感じています。
 

企画や進行に追われるだけではなく、利用者様の表情をゆっくり見られる。

いつもとは違う反応に気づける。
 

それも、特別なイベントだからこそ生まれる時間なのではないでしょうか?
 


「見る楽しさ」があることは、外部レク選びでも大切

敬老会で外部レクリエーションを検討する場合も、施設によって重視するポイントはさまざまだと思います。
 

安全性。

費用。

会場条件。

準備負担。

そして、利用者様との相性。
 

その中に一つ加えるとすれば、「積極的に参加しなくても楽しめるか?」という視点もあると思います。
 

自分から体験したい方は参加できる。

少し迷っている方は、まず見ていられる。

見ているうちに興味が出たら、少し加わることもできる。

その日の気分に合わせて、参加の深さを自分で選べる。
 

そうしたプログラムであれば、利用者様それぞれのペースを大切にしながら、同じ時間を共有しやすくなります。
 


室内サーカスにも、いろいろな楽しみ方があります

私が介護施設向けにご紹介している室内サーカス型レクリエーションにも、このような特徴があります。
 

サーカスというと、「ショーを見るもの」という印象を持たれるかもしれません。
 

でも、高齢者施設向けのプログラムでは、
 

ショーを見る。

拍手をする。

笑う。

道具に触れてみる。

できそうなら少し体験してみる。
 

といったように、さまざまな楽しみ方があります。
 

大切にしているのは、「全員に同じことをしていただくことではなく、それぞれの方が無理のない方法で楽しめること。」
 

室内サーカスがすべての施設に合うとは限りません。
 

ただ、「見る楽しさ」と「参加する楽しさ」の両方があることは、さまざまな状態の利用者様が一緒に過ごす敬老会では、一つの選択肢になり得るのではないかと思っています。
 


敬老会で大切にしたいのは、「何をするか?」だけではない

敬老会を企画するとき、「今年は何をやろう?」という話になるのは、とても自然なことです。
 

歌。

演奏会。

ゲーム。

食事会。

マジック。

サーカス。
 

どれも素敵な選択肢です。
 

ただ、企画を考えるときに、もう一つこんな問いがあってもよいのではないでしょうか?
 

「利用者様一人ひとりに、どんな時間を過ごしていただきたいだろう?」
 

積極的に楽しむ方もいる。

静かに見守る方もいる。

職員と一緒に笑う方もいる。
 

そのすべてを含めて、「今日は楽しかったね」と思える時間になれば、それがその施設らしい敬老会になるのではないでしょうか?
 


敬老会を考えるときの「5つの視点」

今年の企画を考える際に、こんな視点も参考になるかもしれません。

1.見るだけでも楽しめる時間になっているか?

積極的な参加が難しい方も、その場を楽しめそうでしょうか?

2.参加方法にいくつかの選択肢があるか?

体験する、拍手する、見るなど、その方なりの関わり方ができそうでしょうか?

3.その日の体調や気分に合わせられるか?

途中参加や見学でも、無理なく過ごせるでしょうか?

4.職員も利用者様のそばで楽しめるか?

運営だけでなく、一緒にその時間を共有できそうでしょうか?

5.「その人らしい楽しみ方」を大切にできるか?

全員同じではなく、一人ひとり違う楽しみ方を受け止められるイベントになっているでしょうか?
 

どれも、現場ではすでに大切にされていることかもしれません。

それでも、敬老会の企画を考える時期に改めて振り返ってみることで、新しいアイデアにつながることもあるのではないかと思います。
 


「秋の施設イベント30分無料相談」のご案内

今年の敬老会や秋のイベントについて、
 

「利用者様それぞれに楽しんでいただける内容を考えたい」

「いつもとは少し違う時間をつくってみたい」

「職員の準備負担とのバランスも考えたい」
 

そんな施設様と一緒にイベントを考える、

秋の施設イベント30分無料相談

を行っています。
 

施設の規模や利用者様の状況、会場、ご予算、これまでのイベントなどをお聞きしながら、「今年はどんな時間をつくれそうか?」を一緒に整理します。
 

室内サーカスを前提としたご相談ではありません。
 

施設の皆さまがこれまで大切にしてきたレクリエーションやイベントの考え方も伺いながら、必要であれば外部レクを含めた選択肢をご一緒に考えます。
 

キャリア&ライフプラントータルサポート
代表 山岸 博幸
TEL:090-3903-8408
HP:
https://career-life.org/
 


次回予告

第13回は、

なぜ高齢者施設の特別イベントと「室内サーカス」は相性がいいのか?

をテーマにお届けします。
 

第9回から、敬老会の企画、外部レクの選び方、費用対効果、そして今回の「参加のかたち」について考えてきました。
 

次回は、そうした視点から、室内サーカスにはどのような特徴があり、どんな施設イベントで活かせそうなのかを具体的に考えてみたいと思います。
 

▼秋の施設イベント無料相談のお申込みはこちらから

2026年08月25日 15:35

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