見るだけでも、拍手だけでも楽しめる―敬老会で大切にしたい「参加のかたち」
レクが変わると、施設が変わる。
介護施設では、日頃から職員の皆さまが、利用者様一人ひとりの状態や好みを考えながら、さまざまなレクリエーションを工夫されていることと思います。
「今日はどんなことなら楽しんでいただけるだろう。」
「普段あまり参加されない方にも、無理なく楽しんでもらうにはどうしたらいいだろう。」
「せっかくの敬老会だから、皆さんに良い時間を過ごしていただきたい。」
そんなことを考えながら企画されている施設も多いのではないでしょうか?
私自身、介護施設のレクリエーションについて考える中で、改めて大切だと感じることがあります。
それは、「参加する」ということには、いろいろな形があっていいのではないか?ということです。
今回は、敬老会という特別な機会を前に、皆さまと一緒に「参加のかたち」について考えてみたいと思います。
同じレクでも、楽しみ方は一人ひとり違う
介護施設には、さまざまな利用者様がいらっしゃいます。
歌がお好きな方。
身体を動かすことがお好きな方。
人前に出ることが好きな方。
反対に、大勢の中では少し控えめに過ごしたい方。
その日の体調によって、いつもとは違う過ごし方をされる方もいらっしゃるでしょう。
職員の皆さまは、日頃からそうした違いを見ながら、その方に合った声かけや関わりをされていると思います。
だからこそ、敬老会のように多くの方が一緒に過ごす場でも、「みんなが同じことをする」ことだけが参加ではないと考えてもよいのではないでしょうか?
見ていることも、立派な「参加」かもしれない
たとえば、何か楽しい催しが始まったとします。
積極的に体験される方もいる。
手拍子をされる方もいる。
笑顔で眺めている方もいる。
隣の職員に「すごいね」と話しかける方もいる。
一見すると「見ているだけ」に見える方でも、表情が変わったり、周りの人との会話が生まれたりすることがあります。
そう考えると、
見ること。
拍手すること。
笑うこと。
誰かと気持ちを共有すること。
これらも、その方なりの大切な参加なのだと思います。
何かを「できたかどうか」だけではなく、その時間をどう感じていたか?にも目を向けてみる。
そんな見方があってもよいのではないでしょうか?
「やってもらう」より、「楽しみ方を選べる」レクへ
敬老会だからこそ、できるだけ多くの利用者様に楽しんでいただきたい。
これは、多くの施設に共通する思いだと思います。
そのために一つ考えられるのが、参加方法を一つに決めすぎないことです。
たとえば、
しっかり参加して楽しむ。
できる範囲で少し体験してみる。
拍手や手拍子で加わる。
座ったまま眺める。
職員と一緒に楽しむ。
途中から興味を持って参加する。
どれも、その方にとっての参加です。
「全員参加」を、「全員が同じことをすること」ではなく、「それぞれが自分なりの形で、その時間に関われること」と捉えてみると、敬老会の企画にも少し違った可能性が見えてくるように思います。
職員と一緒だから、安心して楽しめることもある
利用者様にとって、普段から関わっている職員の存在はとても大きいと思います。
初めて見るものに少し戸惑っているとき。
普段とは違うイベントで緊張しているとき。
隣に顔なじみの職員がいて、
「面白いですね」と声をかけてくれる。
一緒に拍手をしてくれる。
笑顔で楽しんでいる。
それだけで、安心してその場にいられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
だから私は、敬老会では、「職員の皆さま自身が、利用者様のそばで一緒に楽しめる時間があること」も、とても大切だと感じています。
企画や進行に追われるだけではなく、利用者様の表情をゆっくり見られる。
いつもとは違う反応に気づける。
それも、特別なイベントだからこそ生まれる時間なのではないでしょうか?
「見る楽しさ」があることは、外部レク選びでも大切
敬老会で外部レクリエーションを検討する場合も、施設によって重視するポイントはさまざまだと思います。
安全性。
費用。
会場条件。
準備負担。
そして、利用者様との相性。
その中に一つ加えるとすれば、「積極的に参加しなくても楽しめるか?」という視点もあると思います。
自分から体験したい方は参加できる。
少し迷っている方は、まず見ていられる。
見ているうちに興味が出たら、少し加わることもできる。
その日の気分に合わせて、参加の深さを自分で選べる。
そうしたプログラムであれば、利用者様それぞれのペースを大切にしながら、同じ時間を共有しやすくなります。
室内サーカスにも、いろいろな楽しみ方があります
私が介護施設向けにご紹介している室内サーカス型レクリエーションにも、このような特徴があります。
サーカスというと、「ショーを見るもの」という印象を持たれるかもしれません。
でも、高齢者施設向けのプログラムでは、
ショーを見る。
拍手をする。
笑う。
道具に触れてみる。
できそうなら少し体験してみる。
といったように、さまざまな楽しみ方があります。
大切にしているのは、「全員に同じことをしていただくことではなく、それぞれの方が無理のない方法で楽しめること。」
室内サーカスがすべての施設に合うとは限りません。
ただ、「見る楽しさ」と「参加する楽しさ」の両方があることは、さまざまな状態の利用者様が一緒に過ごす敬老会では、一つの選択肢になり得るのではないかと思っています。
敬老会で大切にしたいのは、「何をするか?」だけではない
敬老会を企画するとき、「今年は何をやろう?」という話になるのは、とても自然なことです。
歌。
演奏会。
ゲーム。
食事会。
マジック。
サーカス。
どれも素敵な選択肢です。
ただ、企画を考えるときに、もう一つこんな問いがあってもよいのではないでしょうか?
「利用者様一人ひとりに、どんな時間を過ごしていただきたいだろう?」
積極的に楽しむ方もいる。
静かに見守る方もいる。
職員と一緒に笑う方もいる。
そのすべてを含めて、「今日は楽しかったね」と思える時間になれば、それがその施設らしい敬老会になるのではないでしょうか?
敬老会を考えるときの「5つの視点」
今年の企画を考える際に、こんな視点も参考になるかもしれません。
1.見るだけでも楽しめる時間になっているか?
積極的な参加が難しい方も、その場を楽しめそうでしょうか?
2.参加方法にいくつかの選択肢があるか?
体験する、拍手する、見るなど、その方なりの関わり方ができそうでしょうか?
3.その日の体調や気分に合わせられるか?
途中参加や見学でも、無理なく過ごせるでしょうか?
4.職員も利用者様のそばで楽しめるか?
運営だけでなく、一緒にその時間を共有できそうでしょうか?
5.「その人らしい楽しみ方」を大切にできるか?
全員同じではなく、一人ひとり違う楽しみ方を受け止められるイベントになっているでしょうか?
どれも、現場ではすでに大切にされていることかもしれません。
それでも、敬老会の企画を考える時期に改めて振り返ってみることで、新しいアイデアにつながることもあるのではないかと思います。
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今年の敬老会や秋のイベントについて、
「利用者様それぞれに楽しんでいただける内容を考えたい」
「いつもとは少し違う時間をつくってみたい」
「職員の準備負担とのバランスも考えたい」
そんな施設様と一緒にイベントを考える、
秋の施設イベント30分無料相談
を行っています。
施設の規模や利用者様の状況、会場、ご予算、これまでのイベントなどをお聞きしながら、「今年はどんな時間をつくれそうか?」を一緒に整理します。
室内サーカスを前提としたご相談ではありません。
施設の皆さまがこれまで大切にしてきたレクリエーションやイベントの考え方も伺いながら、必要であれば外部レクを含めた選択肢をご一緒に考えます。
キャリア&ライフプラントータルサポート
代表 山岸 博幸
TEL:090-3903-8408
HP:https://career-life.org/
次回予告
第13回は、
なぜ高齢者施設の特別イベントと「室内サーカス」は相性がいいのか?
をテーマにお届けします。
第9回から、敬老会の企画、外部レクの選び方、費用対効果、そして今回の「参加のかたち」について考えてきました。
次回は、そうした視点から、室内サーカスにはどのような特徴があり、どんな施設イベントで活かせそうなのかを具体的に考えてみたいと思います。

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