【第6回】地域包括支援センターは、介護が始まってから行く場所ではありません
さいたま市で親の介護が心配になったら読む話
急な入院・介護で家族が慌てないためのやさしい準備
「地域包括支援センターって、介護が必要になった人が行くところですよね?」
そう思っている方は、意外と多いのではないでしょうか?
親はまだ一人で暮らしている。
買い物にも行けている。
介護認定も受けていない。
でも、
「最近ちょっと物忘れが増えた気がする」
「足腰が弱ってきたかな」
「離れて暮らしているので少し心配」
「この先、何かあったらどうすればいいんだろう」
そんな漠然とした不安が出てくることがあります。
実は、こうした「まだ介護ではないけれど、ちょっと心配」な段階から知っておいてほしい相談先があります。
それが、地域包括支援センターです。
さいたま市では「シニアサポートセンター」という名称で、地域の高齢者やそのご家族などの身近な相談窓口として設置されています。
「何を相談したらいいか分からない」でも大丈夫
相談というと、「困っていることをきちんと説明できないといけない」と思ってしまうかもしれません。
でも、親の介護について考え始めたばかりの時は、「何に困っているのか、自分でもよく分からない」ということもあります。
たとえば、
「最近、親の様子がなんとなく気になる」
「同じ話を何度もするようになった」
「一人暮らしを続けさせて大丈夫なのかな」
「介護保険という言葉は知っているけど、仕組みが分からない」
「親のことを誰に相談すればいいのか分からない」
これでも十分です。
さいたま市も、シニアサポートセンターについて、必要としている支援が明確になっていなくても問題なく、「困っていること」「不安なこと」「分からないこと」があれば相談してほしいと案内しています。
これはぜひ、多くのご家族に知っていただきたいことです。
さいたま市では「シニアサポートセンター」
「地域包括支援センター」という名前は少し堅く感じるかもしれません。
さいたま市では、2013年4月から「シニアサポートセンター」という愛称が使われています。
介護保険法に定められた、公的な高齢者の総合相談窓口です。
現在、さいたま市内には27か所設置され、それぞれ担当する地域が決められています。
そこでは、介護だけでなく、
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福祉
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医療
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介護予防
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認知症
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日常生活の困りごと
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高齢者の権利を守るための相談
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家族介護者への支援
など、幅広い相談に対応しています。
専門知識を持ったスタッフが、必要に応じて医療機関や介護事業所などとも連携しながら支援してくれます。
令和8年度 さいたま市地域包括支援センター情報
たとえば、こんな時に相談できます
さいたま市が公式に紹介している相談例には、次のようなものがあります。
「最近、同居している親の物忘れが増えて不安」
「要介護認定を受けたいけれど、どうすればいいか分からない」
「外出する機会が減ってきたので、近所の体操教室を知りたい」
「日常生活で困ることが増えてきた」
「介護保険の制度やサービスについて知りたい」
「地域で参加できる活動を探したい」
つまり、「介護サービスを使いたい人」だけの場所ではありません。
むしろ、「このままで大丈夫かな?」と家族が感じ始めた時から知っておくとよい場所なのです。
介護が始まってから探すと、家族には余裕がない
第3回、第4回でもお伝えしてきましたが、親の状況は突然変わることがあります。
転倒する。
救急搬送される。
急に入院する。
認知症が進んで一人暮らしが難しくなる。
そんな時、家族はすぐにいろいろな判断を求められます。
仕事をどうするか?
退院後の生活はどうするか?
介護保険はどう申請するか?
誰が親を支えるのか?
家族だけで対応できるのか?
こうなってから初めて、「地域包括支援センターってどこ?」と調べるより、元気なうちに、自分の親を担当する地域包括支援センターを知っておく。
それだけでも、いざという時の安心感は違います。
「相談する」=「すぐ介護サービスを使う」ではありません
早めに相談することをためらう理由の一つに、「一度相談したら、介護の話がどんどん進んでしまうのでは」という心配もあるかもしれません。
でも、相談することと、すぐに何かを決めることは別です。
まず、
「今はどのくらい心配する状態なのか?」
「どんな選択肢があるのか?」
「今のうちに何をしておけばよいのか?」
を知る。
それだけでも意味があります。
私は、介護準備で大切なのは、「困ってからサービスを探す」ことだけではなく、「困った時に相談できる場所を先に知っておく」ことだと思っています。
家族だけで答えを出そうとしなくていい
親のことだからこそ、家族は悩みます。
「まだ大丈夫だと思う」
「いや、そろそろ誰かに相談した方がいい」
兄弟の間でも意見が違うことがあります。
本人自身が、「私は何も困っていない」と言うこともあるでしょう。
そんな時に、家族だけで正解を出そうとすると疲れてしまいます。
地域包括支援センターのような第三者に相談することで、「今すぐ介護という段階ではない」と分かることもあるでしょうし、逆に、「早めに専門機関につないだ方がよい」と気づくこともあります。
大切なのは、家族だけで抱え込まないことです。
相談は無料。電話からでも大丈夫です
さいたま市のシニアサポートセンターは、相談を無料で利用できます。
電話や窓口などで相談でき、住んでいる地域によって担当センターが決まっています。
さいたま市の公式ページには、住所から担当センターを確認できる案内もあります。
なお、2026年4月から開所日は原則として、年末年始を除く平日・土曜日(祝日を含む)となり、日曜日は休業となっています。
開所時間はセンターによって異なるため、まず電話で確認するのがおすすめです。
「こんなことで電話していいのかな」と思う必要はありません。
市の公式案内にも、
「自分のこと」
「家族のこと」
「近所の方のこと」
についての悩みや疑問を相談できると明記されています。
私も「地域包括につながる前段階」をお手伝いしたい
一方で、
「地域包括に相談するほどなのか、自分でも分からない」
「親の状況をうまく説明できない」
「家族として、まず何を整理したらよいのか分からない」
という方もいらっしゃると思います。
私は、さいたま市で、そんな「介護準備・終活の“前段階の整理をお手伝い」していきたいと考えています。
親の状況を一緒に整理する。
家族が心配していることを言葉にする。
親にどう話を切り出すかを考える。
そして、公的な支援が必要なら地域包括支援センターなど適切な相談先につなぐ。
私自身がすべてを解決するのではなく、「必要な支援につながりやすくするための整理役」として、地域の中でお役に立てればと思っています。
今日からできる小さな一歩
今回、ぜひやっていただきたいことは一つです。
「親の住んでいる地域を担当するシニアサポートセンターを調べてみる」ことです。
今すぐ電話をしなくてもかまいません。
名前を知る。
場所を知る。
電話番号をスマートフォンに登録しておく。
それだけでも立派な介護準備です。
親の介護は、ある日突然始まることがあります。
その時、「どこに相談したらいいんだろう」から始めるのではなく、「あそこに相談してみよう」と言えるだけで、家族の安心感は変わります。
地域包括支援センターは、介護が始まってから行く場所ではありません。
「少し心配だな」と感じた時から知っておいてよい場所です。
介護を家族だけで抱え込まないためにも。
親も子も、できるだけ安心して暮らしていくためにも。
まずは、自分の地域の相談先を知るところから始めてみませんか?

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