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『お別れホスピタル』第11話|「白い悪魔」が教えてくれる、見えない脅威から命を守る仕事(白い悪魔の回)

①

こんにちは。
『お別れホスピタル』を読みながら感じたことを綴る連載、第11話です。

今回は、「白い悪魔」の回を読んで、強く考えさせられたことを書いてみたいと思います。
 

この回を読んでまず感じたのは、終末期病棟では病気そのものだけでなく、感染症もまた命に直結する大きな脅威なのだということでした。

私たちは普段、感染症を「一時的に体調を崩すもの」と捉えがちです。

少し熱が出る。
しばらく寝込む。
治れば元に戻る。
そんな感覚で考えてしまうことも少なくありません。

けれど、体力が落ちた患者さんにとっては、感染症はまったく別の重みを持ちます。

それは単なる体調不良ではなく、命を左右する問題になり得る。
この回は、その現実をとてもはっきりと突きつけてくるように感じました。
 

そして印象的だったのは、この回が患者さん一人の物語というより、病棟全体を守る看護師たちの緊張感を描いていることです。

終末期病棟では、一人の感染が他の患者さんの命に関わることがあります。

ただでさえ体力が落ち、免疫も弱っている方が多い場所です。
だからこそ、現場には普段外からは見えにくい緊張と責任があります。
 

医療や介護の現場では、

手洗い
消毒
隔離
防護

といった行為は、どうしても地味に見えます。
 

けれど実際には、そうした一つひとつが、人の命を守る最前線なのだと思いました。

看護師さんたちの仕事は、患者さんに優しく声をかけることだけではありません。

見えないウイルスから病棟全体を守ることもまた、大切な仕事です。

「白い悪魔」というタイトルからは、感染症そのものの怖さだけでなく、現場の人たちがどれほど神経をすり減らしながら働いているのかが伝わってくるようでした。

この回を読むと、医療や介護の現場を支えているのは、特別なドラマだけではないのだと感じます。

日々の細かな確認
予防の積み重ね
ルールを守り続けること

その地道で泥臭い仕事の連続が、病棟の安全を支えているのだと思います。

看取りの場というと、私たちはつい、本人と家族の大切な時間や、心の交流に目を向けがちです。

もちろん、それはとても大切なことです。

できるだけ穏やかな最期を迎えてほしい。
家族との時間を大事にしてほしい。
そう願うのは自然なことです。

でも、その一方で、病棟全体の安全を守る判断も必要になります。

家族としては「会いに行きたい」
もっとそばにいたい
少しでも顔を見たい

その気持ちはとてもよく分かります。

けれど、面会に行く側にも、感染を持ち込まない配慮が求められます。
それは冷たい対応ではなく、病棟にいる他の患者さんたちの命を守るための責任でもあるのだと思います。

感染対策は、時に冷たく見えることがあります。

面会を制限する
距離を取る
防護を徹底する

その厳しさだけを見ると、どこか人間味のない対応に映ることもあるかもしれません。

でも、それは患者さんや家族を遠ざけるためではなく、命を守るための線引きなのだと思います。

私はこの回を読んで、「優しさ」と「厳しさ」は対立するものではないのだと感じました。

厳しい感染対策もまた、現場の優しさの一つなのだと思います。

優しくしたいからこそ、甘くできないことがある。
寄り添いたいからこそ、守らなければならないルールがある。
会わせてあげたいからこそ、病棟全体を危険にさらすわけにはいかない。

その葛藤の中で、現場の人たちは判断し続けているのだと思います。

終末期医療の現場では、「穏やかな最期」を支えるために、実はとても現実的で泥臭い仕事が積み重ねられています。

そのことに、私は改めて大きな敬意を感じました。

看護師さんや介護職の方々は、患者さん一人ひとりの命だけでなく、病棟全体の秩序や安全も守っています。

目の前の患者さんへのケアだけではなく、見えない脅威と闘いながら、場そのものを支えている。
その責任の重さは、想像以上のものだと思います。
 

「白い悪魔」は、目に見えないものと闘う医療・介護現場のリアルを描いた回であり、私たちが普段気づきにくい『支える仕事の重さ』を考えるきっかけになる回だと感じました。

そしてこの回は、家族の立場にいる私たちにも問いを投げかけてきます。
 

会いたいという気持ちだけで動いていないだろうか?
現場のルールや判断の背景を、きちんと想像しようとしているだろうか?
「なぜそこまで厳しいのか」を、命を守る視点から考えたことがあるだろうか?
 

こうした問いは、普段なかなか立ち止まって考えることの少ないテーマかもしれません。

でも、看取りや終末期医療を考える上では、とても大切な視点なのだと思います。

『お別れホスピタル』は、患者さんや家族の物語だけでなく、病棟全体を守る現場の知恵と緊張感にも光を当ててくれる作品です。

だからこそ、読めば読むほど、「支えるとはどういうことか」を深く考えさせられます。
 

読書会でも、

「感染対策はなぜ必要なのか」
「優しさと厳しさはどう両立するのか」
「家族として、現場の判断をどう受け止めるか」

といったことを、安心して語り合えたらと思っています。
 

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2026年06月18日 13:37

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