中核・中堅社員の介護離職防止に向けて、そのサイン見逃していませんか?

「半休が増えた」「出張を断るようになった」「会議中に着信が多い」
それは、単なる「やる気低下」ではなく 親の介護が始まったサイン かもしれません。
少人数の会社ほど、一人が抜ける影響は大きい。
だからこそ、早めに気づき、最初の一歩を素早く打つことが離職防止のカギです。
むずかしい言葉は使わず、今日から使えるやり方だけをまとめました。
1) こういう変化、出ていませんか?(当てはまるほど要注意)
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半休・時間休が増える(役所・病院対応で細切れになりがち)
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遅刻・早退・突発休が続く
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出張NG/残業回避の申し出が増える
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会議中の着信・中座(「ケア」「病院」の表示が増える)
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集中力の低下・ミス増(寝不足・不安)
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表情が硬い・疲れて見える
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在宅勤務や時差出勤の相談
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親の話題(転倒・物忘れ・通院)が増える
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評価・異動への不安を口にする
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年休を前半で使い切り気味
2) なぜ見逃してしまうのか
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本人が言い出しにくい:「迷惑をかけたくない」「評価が下がるかも」
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上司が先送り:「繁忙期が終われば戻るだろう」
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会社の空気:制度はあるが使いづらい、前例が少ない
→ 限界まで抱え、ある朝いきなり退職願...を招きがち。少人数の会社ほど、初動が命です。
3) 声のかけ方は「3行」で十分
1行目:事実
「ここ2か月、半休が増えてるのに気づきました。」
2行目:配慮
「業務はチームで調整します。生活面で困っていること、ありませんか?」
3行目:選べる提案
「もし介護のことなら、在宅や時差も使えます。手続きは一緒に進めましょう。」
言ってはいけない例(5つ)
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「家庭のこと?今は繁忙期だよ」
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「制度はあるから自分で読んで申請して」
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「仕事に支障が出ると困る」
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「いつから普通に来れるの?」
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「とりあえず有給でなんとかして」
※コツ:問い詰めない/守秘を約束/一緒にやる姿勢。
これだけで相談のハードルが下がります。
4) はじめの3日対応(むずかしい手順は不要)
【初日:状況把握と“仮の働き方”をつくる】
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話を聴き、メモ(通院日、役所手続き、同居/別居、家族の分担、通勤距離など)
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2週間の“仮運用”を決める
例:在宅週2/時差出勤/会議は録画+要点メモで追いつく -
社内制度を1枚で案内(時間休/短時間/在宅/費用補助/申請先・連絡先)
【2日目:業務を「回る形」へ】
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属人タスクを小分け(3分割を目安)→割り振り
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承認ルートを短く(上長→人事で即日。証明は後追いOK)
【3日目:会社の外の力も使う準備】
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地域包括支援センター(介護の総合窓口)の連絡先を一緒に確認
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要介護認定〜ケアマネ相談の流れを説明(社内ガイド1枚でOK)
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毎週15分の定点確認”**を予約(予定・負担・調整が必要な点)
※目的は「休ませること」ではなく、“働ける形に整えること”。
従業員が少ない会社でも実行可能です。
5) 少人数でも回るための小ワザ
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要点メモ:会議は録画+「決定事項・期限・担当」だけの要点メモを必ず残す
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代理セット:不在時の代理承認・代理連絡を事前に設定
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チャットの“要点スレ”:緊急/期限/決定だけを一か所に
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“帰る時間を宣言”:毎日17:00は家族対応など、先に言う文化を歓迎
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取引先への一言テンプレ:「家族対応のため、当面は○曜△時以降は返信が翌営業日になります。至急は○○宛てにご連絡ください。」
6) 1週間〜1か月の見直しポイント
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困った時間帯はどこ? →在宅・時差の曜日/時間は合っている?
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代替アサインは適切? →誰に回すのが一番スムーズ?
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次の通院・役所はいつ? →カレンダー共有
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本人の疲れ具合は?(睡眠/食事/メンタル)
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取引先との段取りは問題ない?(テンプレ運用できている?)
※余裕が出たら段階的に通常へ。焦りや無理に戻しは禁物。
7) ミニ事例(従業員60名・卸売)
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兆候:半休の連続と軽微なミス増
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初動:在宅週2+時差出勤、会議は録画+要点メモ
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業務:属人タスクを3分割、引き継ぎメモを共同編集
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相談:上長が家族同席で地域包括へ。訪問介護+通所が稼働
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結果:退職回避、3か月で元の水準へ。以降、早期相談が3件生まれた
8) すぐ使える「1on1質問メモ」
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最近、時間のやりくりで困っていることは?
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通院や役所など、決まっている予定は?
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この2週間で、在宅or時差が役立ちそうな日・時間は?
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業務で誰かに任せたいことは?
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連絡は電話/チャット/メールのどれが早い?
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次の見直しはいつ・何を確認する?
まとめ:一番コストが低い対策は「早めに気づくこと」
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サインは小さな変化として必ず出ます。
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声かけは3行で十分。
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はじめの3日で“働ける形”をつくれば、退職は高い確率で防げます。
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従業員200名以下の会社こそ、スピードと現場力で勝てます。
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