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【第10回】減価償却費を制する者は不動産投資を制す!「儲かっているのに手元にお金が残る」仕組み

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前回の記事では、サラリーマン大家さんが避けては通れない「税金」と「確定申告」の基本について解説しました。特に、不動産所得の赤字を給与所得と合算して税負担を軽減できる「損益通算」は、サラリーマン大家にとって強力な武器になることをお伝えしました。

しかし、ここで多くの方が疑問に思うかもしれません。「そもそも、家賃収入があるのに、どうして赤字になることがあるのだろう?」と。その答えこそが、不動産投資における節税の「キモ」であり、多くの人が難しく感じてしまう概念、**「減価償却費」**に隠されています。

今回は、この「減価償却費」という会計上のマジックを解き明かします。これを理解すれば、「なぜ不動産投資は節税になると言われるのか」、そして「帳簿上は赤字なのに、手元のキャッシュはプラス」という、一見不思議な状況が生まれる仕組みが、手に取るように分かるはずです。

減価償却費とは?「お金は出ていかない経費」

不動産投資で経費として計上できるものには、固定資産税や修繕費、管理会社への手数料など、実際に財布からお金が出ていくものが多くあります。しかし、減価償却費はそれらとは全く性質が異なります。

建物や設備は、時間が経つにつれて古くなり、その価値は少しずつ失われていきます。この「価値の減少分」を、法律で定められた年数(法定耐用年数)にわたって、毎年少しずつ経費として計上していく会計上の手続きが「減価償却」です。

ここでの最重要ポイントは、減価償却費は**「実際にはお金の支出を伴わない、帳簿上の経費」**であるという点です。毎年、数十万円から百万円以上の経費を計上できるにもかかわらず、あなたの銀行口座からその金額が引き落とされるわけではないのです。

「帳簿上の赤字」を生み出す魔法の計算式

この「お金の出ていかない経費」が、サラリーマン大家の税金計算に魔法のような効果をもたらします。簡単な例で見てみましょう。

【あるサラリーマン大家さんの一年間の収支】

  • ① 年間家賃収入: 120万円

  • ② 現金支出(ローン金利、税金、管理費など): 50万円

  • ③ 減価償却費(帳簿上の経費): 80万円

この大家さんの手元に残る現金(キャッシュフロー)は、 ① 家賃収入 120万円 − ② 現金支出 50万円 = 70万円のプラス となり、経営は黒字です。

しかし、税金を計算する際の「不動産所得」は、 ① 家賃収入 120万円 − ② 現金支出 50万円 − ③ 減価償却費 80万円 = ▲10万円の赤字 となります。

手元には70万円の現金が残っているにもかかわらず、税金の計算上は「10万円の赤字」が生まれるのです。そして、この帳簿上の赤字を給与所得と「損益通算」することで、給与から天引きされていた所得税が還付される、という仕組みが成り立ちます。これが、「儲かっているのに税金が戻ってくる」現象の正体です。

減価償却費の計算方法を知っておこう

では、この魔法の経費はどのように計算されるのでしょうか。基本は非常にシンプルです。

減価償却費 = 建物の取得価額 × 償却率

  • 建物の取得価額: 土地と建物を一緒に購入した場合、そのうちの「建物」の価格が基準となります。土地は時間が経っても価値が減らないため、減価償却の対象にはなりません。

  • 償却率: 建物の構造によって法律で定められた「法定耐用年数」によって決まります。主な構造の耐用年数は以下の通りです。

構造法定耐用年数木造 22年
鉄骨造(軽量)19年~27年
鉄骨造(重量)34年
鉄筋コンクリート造(RC)47年

例えば、新築で建物価格2,200万円の木造アパートを購入した場合、耐用年数は22年なので、毎年の減価償却費はざっくりと100万円(2,200万円 ÷ 22年)となります。

特に、私たちが注目する「空き家(中古戸建)」の場合、この耐用年数の計算がさらに有利に働くことがあります。法定耐用年数を過ぎた木造物件(築22年以上)の場合、耐用年数は最短で4年となります。これにより、短期間で大きな減価償却費を計上し、節税効果を最大化するという戦略も可能になるのです。

出口戦略での注意点:減価償却は「税金の繰り延べ」

ただし、一つだけ注意点があります。減価償却は「節税」ではありますが、「免税」ではありません。本質は「税金の繰り延べ」です。

物件を売却する際、売却価格から「取得費(建物の購入価格から、これまでの減価償却費の合計額を差し引いたもの)」と「譲渡費用」を引いた金額がプラスになると、「譲渡所得」として課税されます。減価償却費を多く計上してきた物件ほど、帳簿上の価値は下がっているため、売却時に利益が出やすくなるのです。

とはいえ、不動産投資は長期的な視点が重要です。減価償却をうまく活用して毎年のキャッシュフローを最大化し、計画的に資産を形成していく。この会計上の知識こそが、他の投資にはない不動産投資の大きな魅力であり、成功への鍵を握っているのです。


【次回予告】 第11回:融資を味方につける!サラリーマンの信用力を活かした資金調達術

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2025年07月21日 14:47

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