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地獄の沙汰も金次第! 第1話「ある日、親の預金が凍りついた」- あなたの資産も他人事じゃない

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「申し訳ありませんが、この口座からは預金を引き出すことができません」

銀行の窓口で、あなたは耳を疑うでしょう。これはテレビドラマのワンシーンではありません。埼玉在住の田中さん(55歳・仮名)が、先日認知症と診断された母親の介護施設の入居金を引き出そうとして、実際に直面した現実です。

「なぜですか?母の金ですよ?介護に必要なんだ!」

田中さんがどれだけ声を荒げても、窓口担当者は申し訳なさそうに首を横に振るだけ。理由は一つ。「ご本人様の意思確認ができないため、資産を保護する目的で口座を凍結させていただいております」。

…なんてこと、考えたくもないですよね。でも、これは決して他人事ではありません。親が、あるいはあなた自身が、認知症と診断されたその日から、これまで当たり前に使えていたはずの資産が、分厚い氷の下に閉ざされてしまう。これこそが、多くの50代が最初に直面する「介護・終活」の地獄の入り口なのです。

 

なぜ、こんなことが起こるのか?

 

銀行は意地悪でやっているわけではありません。むしろ逆です。本人の判断能力が低下した状況で、詐欺や悪質な勧誘から虎の子の財産を守るための、法律に基づいた防衛策なのです。

しかし、その「善意の防衛策」が、皮肉にも家族を窮地に追い込みます。介護費用、医療費、日々の生活費…。親のために使われるべきお金が、親の口座にあるにもかかわらず、1円たりとも動かせない。まさに「地獄の沙汰も金次第」と言いますが、その肝心のお金が目の前にあるのに使えないという、もっとタチの悪い地獄が現実には存在するのです 。  

 

調査によれば、人々が終活を意識するきっかけの第2位は「相続やお金について意識したため」。多くの人が漠然と感じているお金の不安は、この「資産凍結」という形で、ある日突然、現実の牙を剥くのです。  

 

 

じゃあ、どうすればいいのか?

 

「そんなの、聞いてないよ!」と天を仰ぐ前に、知っておいてください。この最悪の事態を回避するためのツールは、ちゃんと存在します。ただし、どれも「親の判断能力がはっきりしているうちに」しか使えない、時限装置付きの脱出スイッチです。

  • 1. 家族信託(かぞくしんたく) 今、最も注目されている方法です。元気なうちに、親が「もし自分が認知症になったら、この財産の管理と処分を長男に任せる」という契約(信託契約)を結んでおく制度。これにより、たとえ親の判断能力が衰えても、託された家族は契約内容に従って、介護費用や医療費の支払いのために、不動産を売却したり、預金を引き出したりすることが可能になります。柔軟性が高く、家族の実情に合わせた設計ができるのが最大のメリットです。

  • 2. 任意後見契約(にんいこうけんけいやく) これも元気なうちに、「将来、判断能力が不十分になった場合に備えて、自分の後見人になってもらう人」を自分で指名し、契約しておく制度です。家庭裁判所が関与する「法定後見」と違い、誰に、何を、どう支援してもらうかを自分で決められるのが特徴です。信頼できる家族や専門家を、自分の「もしも」の時の代理人として予約しておくようなイメージです。

  • 3. 成年後見制度(せいねんこうけんせいど) すでに判断能力が低下してしまった場合に、家庭裁判所が「後見人」を選任する、いわば最後の砦です 。しかし、これはあくまで最終手段。誰が後見人になるかは裁判所が決めますし、一度選任されると、財産管理は家庭裁判所の監督下に置かれ、手続きが煩雑で費用もかかり続ける場合があります。できれば、この制度のお世話になる前に、先手を打っておきたいところです。  

     

 

これは「お金」だけの問題じゃない

 

資産凍結が恐ろしいのは、経済的な問題にとどまらないからです。

突然の出費に対応できなくなった時、あなたは兄弟に電話をかけることになるでしょう。「悪い、ちょっと立て替えてくれないか?」「え、なんで?親父の金があるだろ?」「それが、凍結されちまって…」「はぁ!?なんでそんな大事なこと、もっと早く言わないんだよ!」

…想像に難くないですよね。これは単なるお金の問題ではありません。これまで見て見ぬふりをしてきた家族間の役割分担や、コミュニケーション不足という名の地雷を、一気に爆発させる起爆装置なのです。介護のストレスは、こうした人間関係の軋轢から生まれることが非常に多いのです 。  

 

 

まとめと「今日の小さな一歩」

 

親が認知症になった瞬間、その資産は凍りつく可能性がある。これは、避けようのない現実です。しかし、元気なうちに対策を講じておけば、この最悪の事態は回避できます。

「でも、いきなり親にそんな話、切り出せないよ…」

わかります。ええ、痛いほど。ですから、今日のところは、まだ親と話す必要はありません。

今日の小さな一歩:親が主に使っている銀行はどこか、通帳やカードはどこに保管してあるか、それとなく確認するだけ。

それでいいのです。それが、地獄の一丁目からUターンするための、最初の、そして最も重要な一歩です。

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2025年07月06日 21:35

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