【第3回】急な入院・転倒・認知症は、ある日突然やってくる
さいたま市で親の介護が心配になったら読む話
急な入院・介護で家族が慌てないためのやさしい準備
「親の介護は、まだ先のことだと思っていました。」
実際に親の介護や支援が必要になったご家族から、よく聞く言葉です。
私もそうでした。
昨日までは普通に暮らしていた。
少し足腰は弱ってきたけれど、まだ一人で生活できていた。
物忘れはあっても、年齢相応だと思っていた。
病院には通っていたけれど、すぐに大きな変化が起きるとは思っていなかった。
そんな中で、ある日突然、家族の状況が変わることがあります。
転倒して骨折した。
肺炎で入院した。
救急搬送された。
受診したら認知症の疑いを指摘された。
退院後、一人暮らしを続けるのが難しくなった。
介護は、「いつか来る」ものではあっても、その始まり方は、案外とても突然です。
だからこそ、親がまだ元気なうちから、少しずつ準備しておくことが大切なのです。
介護は「ある日から急に現実になる」
介護という言葉を聞くと、多くの方は、少しずつ状態が悪くなっていくイメージを持つかもしれません。
もちろん、そのようなケースもあります。
けれど実際には、「昨日までは普通だったのに」「先週までは一人で買い物に行けていたのに」という形で、急に家族の生活が変わることも少なくありません。
たとえば、転倒です。
家の中でつまずいた。
段差で足を取られた。
夜中にトイレへ行く途中で転んだ。
雨の日に外で滑った。
その結果、骨折して入院し、それをきっかけに歩く力が落ちてしまう。
退院しても、以前のように一人で生活するのが難しくなる。
そこから介護保険や福祉サービスの利用を考えることになる。
このように、介護の入口は、必ずしも大きな病気だけではありません。
ちょっとした転倒や、体調不良、軽い物忘れがきっかけになって、家族の対応が一気に必要になることがあります。
急な入院で家族が最初に困ること
急な入院が起きた時、家族は気持ちの面でも大きく動揺します。
しかし、それと同時に、現実的な対応もしなければなりません。
病院から連絡が来る。
必要な持ち物を求められる。
今後の見通しを聞かれる。
退院後の生活を考える必要が出てくる。
この時、家族が最初に困りやすいのは、次のようなことです。
・かかりつけ医はどこか?
・持病は何か?
・飲んでいる薬は何か?
・お薬手帳はどこにあるか?
・保険証や診察券はどこにあるか?
・緊急連絡先は誰か?
・本人はどのような生活を望んでいるのか?
・退院後、誰がどう支えるのか?
もしこれらが分からないと、家族は医療的な説明を受けながら、同時に情報探しもしなければなりません。
親が元気なうちは、つい後回しになりがちなことですが、いざという時に慌てないためには、こうした基本情報を少しずつ整理しておくことが、とても大切です。
認知症も「ある日突然始まった」ように感じることがある
認知症も、実際には少しずつ進んでいくことが多いものです。
ただ、家族にとっては、「ある日突然、今までと違う」と感じる瞬間があります。
たとえば、
何度も同じ話をするようになった。
薬の飲み忘れが増えた。
通院日を間違えるようになった。
冷蔵庫の中に同じものがたくさん入っていた。
お金の管理が曖昧になってきた。
以前はきちんとしていた人が、急に片付けが苦手になった。
約束を忘れることが増えた。
こうした変化は、一つひとつを見ると小さなことかもしれません。
でも、家族が「何かおかしい」と感じる時には、すでに日常生活の中で困りごとが始まっていることもあります。
認知症に限らず、親の変化は、「もっとはっきり困ってから」ではなく、「少し気になる」段階で目を向けることが大切です。
問題は『起きること』より『備えていないこと』
ここでお伝えしたいのは、「急な入院や転倒、認知症が怖い」ということではありません。
年齢を重ねれば、体調や生活に変化が起こるのは自然なことです。
大事なのは、変化そのものを恐れることではなく、何も知らないまま、その時を迎えてしまうことです。
本当に家族が大変になるのは、出来事そのもの以上に、「何をすればいいか分からない。」
「どこに相談すればいいか分からない。」
「親の希望が分からない。」
「家族で共有できていない。」
という状態です。
だからこそ、介護準備や終活は、『最悪の事態を想定するため』ではなく、『急な変化に慌てないため』の準備なのです。
今からできる備えは、難しいことではありません
では、何を準備しておけばよいのでしょうか?
難しいことを一気にやる必要はありません。まずは、できることからで大丈夫です。
たとえば、
1. 緊急時に必要な情報を確認する
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かかりつけ医
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持病
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飲んでいる薬
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お薬手帳の場所
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保険証・診察券の場所
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緊急連絡先
2. 家の中の危険に目を向ける
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段差が多くないか?
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夜の移動が危なくないか?
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手すりが必要そうな場所はないか?
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転びやすいマットやコードがないか?
3. 親の最近の変化を見ておく
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以前より疲れやすくなっていないか?
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歩くスピードが落ちていないか?
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服薬や通院管理が怪しくなっていないか?
-
金銭管理や買い物の様子に変化はないか?
4. 相談先を知っておく
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親の住んでいる地域のシニアサポートセンター
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自分の住んでいる地域の相談先
-
必要に応じて相談できる医療機関や専門機関
これだけでも、急な変化が起きた時の安心感は大きく違います。
家族だけで抱え込まないために
親に何か起きた時、多くの方はまず「自分が何とかしなければ」と思います。
もちろん、その気持ちはとても自然です。
親を大切に思うからこそ、そう考えるのだと思います。
ただ、介護や支援の問題は、家族だけで抱え込むほど苦しくなります。
特に急な入院や認知症の疑いが出た時は、家族の気持ちが追いつかないまま、手続きや判断が必要になることもあります。
そんな時に大切なのが、早めに相談することです。
さいたま市には、地域の高齢者やその家族の相談窓口として、シニアサポートセンターがあります。
介護が本格的に始まってからではなく、「少し心配だな」「そろそろ備えておいた方がいいかもしれない」
という段階で相談先を知っておくことは、とても大きな安心につながります。
「まだ早い」ではなく「今だからこそ」
介護準備や終活の話をすると、「まだ早いですよ」「元気なうちからそんな話をするのは気が引ける」という声を聞くことがあります。
でも、本当に準備しやすいのは、まさに『今』です。
親が元気だからこそ話せることがあります。
親が自分の希望を言えるうちだからこそ確認できることがあります。
大きな出来事が起きていない今だからこそ、落ち着いて整理できます。
何かが起きてからでは、心にも時間にも余裕がなくなります。
だからこそ、
「何も起きていない今」
「まだ元気な今」
「まだ相談するほどではないと思う今」
こそ、準備を始めるのにちょうどよいタイミングです。
今日からできる小さな一歩
今日からできる小さな一歩として、おすすめしたいのは次の3つです。
1つ目は、親の通院先とかかりつけ医を確認すること。
2つ目は、お薬手帳や保険証の場所を把握すること。
3つ目は、親の住む地域のシニアサポートセンターを調べておくこと。
そして、もし余裕があれば、「最近、困っていることはない?」「何かあった時、誰に連絡したらいいかな?」と、やさしく聞いてみてください。
介護準備は、重たい話から始める必要はありません。
親の暮らしを大切にするための、やさしい確認からで十分です。
急な入院・転倒・認知症は、ある日突然やってくることがあります。
でも、家族が少し備えておくだけで、その『突然』は、少しやわらげることができます。
親も子も、慌てすぎずにすむように。
そのための準備を、今から少しずつ始めていきましょう。
親も子も、できるだけ笑顔でいられるように。
まずは、知ることから始めていきましょう。
▼「介護終活_30チェックシート』でまずは現状の準備状況の確認をしてみることをお勧めしています。是非、ご確認してみて下さい。

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