シニア向けChatGPT講座を終えて。AI時代に私たちが後世に伝えるべき「大切な使命」

本日、私が講師を担当させていただいているNPO法人さいたまシニアパソコン友の会の「シニア向けChatGPT活用講座」が、前期の全11講を無事に終えました。
昨年の後期コースから合わせると、約50名の方々がこの新しい学びの場を卒業されたことになります。
NPO法人さいたまシニアパソコン友の会
「講座は今日で終わりだけど、私のChatGPTとの付き合いは今日からが本番ね!」
最終日にそう言って笑う受講生の方の晴れやかな顔を見て、胸がいっぱいになりました。この講座を通じて、私自身が学んだこと、そして受講生の皆さんと共有した未来への想いを、ここに書き留めておきたいと思います。
「面白い!」「生活が変わった!」AIが拓くシニア世代の新たな可能性
「先生、AIって何だか怖いものだと思ってたよ」
初回の講座では、そんな声も少なくありませんでした。しかし、会話をするように直感的に使えるChatGPTに触れるうちに、皆さんの表情は驚きと喜びに変わっていきました。
趣味の園芸について、専門家と対話するように育て方を質問する方。
昔の思い出を語りかけ、それを元にAIに短い自分史を創作してもらう方。
お孫さんへの手紙の文面を、もっと気持ちが伝わるようにと一緒に考える方。
毎日の献立に悩み、冷蔵庫の残り物からプロ顔負けのレシピを提案してもらう方。
皆さんがそれぞれの生活の中でAIを「賢い相棒」として活用し、目を輝かせながらその成果を報告してくださる姿は、テクノロジーがもたらすポジティブな力を何よりも雄弁に物語っていました。
便利さの先にある、私たちが向き合うべきテーマ
しかし、この講座で私が最も大切にしたのは、単なる操作方法をお伝えすることだけではありません。生成AIが急速に進化する現代において、私たちはその光と影の両面を正視する必要があるからです。
数理工学者の甘利俊一氏は、生成AIの進化が「文明崩壊」のリスクをはらんでいると警鐘を鳴らし、AIの未来は「恐怖と希望が50:50」だと語っています。AIが人間の仕事を肩代わりし、人間が自ら考えることを放棄してしまえば、それは「人間の家畜化」に繋がりかねません。
<参考動画>
"【下手すれば“文明崩壊”の危険】生成AIの源流を築いた伝説的な
数理工学者・甘利俊一/人工知能が「心、個性、信念、正義感」を
持つように/AIの未来は恐怖と希望が50:50
便利なツールに溺れるのではなく、それを使う人間が確固たる軸を持つこと。そのために、私たちはAIとどう向き合うべきか。これは、世代を超えた大きな問いです。
講座の最後に伝えた「シニア世代だからこその使命」
そして、講座の最終回。私は受講生の皆様に、少し踏み込んだお話をさせていただきました。
「豊かな人生経験に裏打ちされた知恵や倫理観、人を思いやる心。これらAIにはない人間的な価値を、次の世代にしっかりと伝えていくこと。それこそが、シニア世代の皆様が担うことのできる、かけがえのない使命なのではないでしょうか」
AIは膨大なデータを元に最適解を出すことはできても、人の痛みに共感したり、文化の奥深さを味わったりすることはできません。激動の時代を生き抜き、様々な経験を重ねてこられた皆様の言葉や姿勢そのものが、これからのAI時代を生きる若い世代にとっての道標となります。
私の話を、皆さんは深く頷きながら、真剣な眼差しで聞いてくださいました。その静かで力強い眼差しに、私は未来への確かな希望を感じ、胸が熱くなりました。
終わりに
この講座を卒業された50名の皆様は、単に新しいツールを学んだだけではありません。AIという鏡を通じて、人間とは何か、豊かに生きるとは何かを改めて見つめ直し、未来への羅針盤を手にしたのだと、私は信じています。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
これからも「賢い相棒」と共に、彩り豊かな素晴らしい日々を送られることを、心から願っています。
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