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【出版報告】【第12回】父母の介護者になって、初めて気づいたこと

本のPRのnote記事ヘッダー⑥

13年前、父に終活を提案して拒否された。
その後、父が80歳、85歳になるにつれ、なぜか私は言い出せなくなっていた。


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今回は少し個人的な話をさせてください。
 

私は2023年、父母の介護者になりました。

キャリアコンサルタントとして12年以上、ミドル・シニア世代のキャリア相談や複業・独立支援に携わってきました。
また、終活カウンセラー1級の資格も持っています。
 

ただ正直に言うと、資格を取っても、自分の親に対して具体的に動けていなかった。...。(後悔と反省)
 

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■ 13年前、父に終活を提案して、断られた

終活カウンセラーの資格を取得した頃、私は父に終活の話を持ちかけたことがあります。
 

「これからのことを少し整理しておいたほうがいい」
 

父の答えは、はっきりしていました。

「まだそんな話をする歳じゃない」
 

その一言で、話は終わりました。

正面から「終活をしよう」と切り出したことで、父は自分の老いを突きつけられたように感じたのだと思います。
当時の私には、その入口の選び方が間違っていたことに、気づけていませんでした。

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■ 父が80歳、85歳になるにつれ、なぜか言い出せなくなっていった

拒否された後、私は「またタイミングを見て話そう」と思っていました。
 

でも不思議なことが起きました。

父の年齢が80歳、85歳と上がるにつれて、むしろ私は話を切り出しにくくなっていったのです。
 

「この年齢で終活の話をしたら、死を意識させてしまうのではないか」

「もし体調が悪くなっているときに話したら、追い詰めてしまうのではないか」

「せっかく穏やかに過ごしているのに、重い話を持ち込みたくない」


そういう気持ちが、年を重ねるごとに強くなっていきました。
 

今思い返すと、私は無意識に、親の終活の話から目を背けていたのだと思います。
 

必要性はわかっていた。知識もあった。でも「今じゃなくてもいい」という自分の気持ちに、気づかないふりをしていた。
 

準備が進まない理由は「危機感がないから」だけではない。むしろ現実が近づいてくるほど、直視しにくくなる。
そのことを、私は自分自身の経験として知っています。
 

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■ 「知っている」と「動いている」は、まったく別のことだった

終活の必要性は理解していました。
準備が重要なことも、頭ではわかっていた。
 

でも父に拒否されたあの日から、「タイミングを見ながら」が続いていました。
そして父の年齢が上がるにつれて、「タイミングを見ながら」は「見て見ぬふり」に変わっていきました。
 

そして2023年、実際に介護者になったとき、「わからなさ」の中で動かなければなりませんでした。
 

かかりつけ医の名前。
保険証の場所。
緊急時に連絡すべき人の順番。

 

どれも「大事なのはわかっていた」ことでした。
でも、整理されていなかった。
 

資格があっても、知識があっても、実際に動いていなければ意味がない。
それを身をもって実感しました。

情報の「わからなさ」は、問題そのものと同じくらい家族を消耗させます。
何がどこにあるかわからない状態が、人を疲弊させるのです。

 

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■ 愛情があっても、準備がなければ追い詰められる

介護の場面で追い詰められた方を、身近で見てきました。

その方たちが、家族への愛情が薄かったわけでは決してありません。
 

むしろ「自分がやらなければ」という強い思いを持っていた方ほど、一人に負担が集中し、気づいたときには限界に来ていました。

愛情は、準備を代わりにはしてくれません。
 

準備があってこそ、愛情を持続できる余裕が生まれます。

これは、親に対してだけでなく、自分自身に対しても言えることです。

自分が倒れては、誰も守れません。
 

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■ 「終活を始めよう」ではなく「人生を聞かせてほしい」が伝わる

13年前に父に拒否されてから、私が学んだことがあります。

入口が違えば、話の始まり方も、受け取り方も、まったく変わるということです。
 

「終活をしよう」という言葉は、親に老いを突きつけます。

でも「あなたの人生を聞かせてほしい」「家族の記念として残したい」という言い方なら、受け取り方が変わります。

実際にその入口から話し始めると、親が話してくれる可能性が高まります。
 

仕事のこと。
夫婦の歴史。
苦労したこと。
誇りに思っていること。
家族に伝えておきたいこと。

 

その会話の中に、将来の判断に必要なヒントが、たくさん含まれています。

13年前に正面からぶつかって跳ね返された経験と、年齢が上がるにつれて言い出せなくなっていった経験。
その両方があったからこそ、「入口の大切さ」を実感を持ってお伝えしたいと思っています。
 

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■ この本を書いた理由

私がこの本を書いたのは、自分が経験してきたことを「次の誰かの準備」に役立ててほしかったからです。
 

終活カウンセラーとしての知識。
キャリアコンサルタントとしてミドル・シニア世代と向き合ってきた経験。
そして、13年前に父に拒否された経験、年齢とともに言い出せなくなっていった経験、2023年に実際に介護者になって初めて気づいたこと。

それらすべてを重ねて書きました。


知識があっても動けなかった自分。
正面から切り出して失敗した自分。
現実が近づくほど目を背けていた自分。
そういう等身大の経験があるからこそ、「なぜ準備は進まないのか」「どんな入口なら始められるのか」を少しでもご理解頂きたいと思っています。


介護準備も終活も、難しい話ではありません。
本質は「元気なうちに、家族と少し話しておくこと」です。

そしてその入口は、重い話から始めなくていいのです。
 

この連載も残すところあと3回です。

次回は「今日から始める人生防衛プラン──まず一つだけやること」をお伝えします。
 

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2026年05月20日 11:48

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