『お別れホスピタル』第6話|「最期まで自分らしくありたい」という願いの裏にある孤独を考えた
こんにちは。
『お別れホスピタル』を読みながら感じたことを綴る連載、第6話です。
今回は、カルテ6「本庄 昇さん」を読んで、私が特に深く考えさせられたことを書いてみたいと思います。
この回を読んでまず心に残ったのは、
『人は最期まで、自分らしくありたいと願うものなのだろう』
ということでした。
誰かに迷惑をかけたくない。
できるだけ自分のことは自分で決めたい。
弱った姿ばかりを見せたくない。
人としての誇りを失いたくない。
そうした思いは、多くの人の中にあるのではないでしょうか。
特に、それまで自分の人生を自分なりに築いてきた人ほど、その思いは強いのかもしれません。
「最期まで自分らしくありたい」という願いは、とても自然で切実なものだと思います。
けれどこの回を読んで感じたのは、その願いが時に、『深い孤独と隣り合わせになる』ことがある、ということでした。
自分らしくいたい。
でも弱っていく現実はある。
人の世話になることへの抵抗がある。
本音をうまく言えない。
心配をかけたくない。
迷惑をかけたくない。
そうした思いが重なっていくと、人は少しずつ、自分の内側へ閉じこもってしまうことがあるのかもしれません。
周囲から見れば、まだ話せることがあるように見える。
まだ支えられる余地があるように見える。
けれど本人の心の中では、もう言葉にできないところまで追い詰められていることもある。
そんな現実を、この回は静かに突きつけてくるように感じました。
私はこの本庄さんの回を読んで、「自分らしさ」とは何だろうということも考えさせられました。
自分で決めることが自分らしさなのか。
人の手を借りずにいることが自分らしさなのか。
それとも、つらい時に「つらい」と言えることもまた、自分らしさなのか。
私たちはつい、
「人に迷惑をかけないこと」
「最後までしっかりしていること」
を良しとしがちです。
もちろん、それ自体は悪いことではありません。
でも、その価値観が強すぎると、弱ること、人に頼ること、助けを求めることまで、どこか“負け”のように感じてしまうことがあります。
その結果、本当に苦しい時ほど、人は何も言えなくなってしまうのかもしれません。
本庄さんの回を読んで、私は、『最期まで自分らしくありたいという願いは尊い。
でも、その願いが孤独の中で固く閉じてしまうと、とても危ういものにもなり得る。』
そんなことを感じました。
だからこそ大切なのは、『本当に追い詰められる前に話しておくこと』なのだと思います。
自分は何を大切にしたいのか。
どんな状態になった時に、どんな支え方を望むのか。
何をしてほしくて、何はしてほしくないのか。
どこまで自分で決めたいのか。
そして、苦しくなった時には、誰に何を伝えたいのか。
こうしたことは、元気な時には考えにくいテーマです。
家族に切り出すのも簡単ではありません。
「まだ早い」
「そんな話は縁起でもない」
と感じる方も多いと思います。
けれど、だからこそ、まだ余力のあるうちに少しでも話しておくことが大事なのではないでしょうか。
本当に追い詰められてからでは、言葉が出なくなることもあります。
本人も苦しい。
家族もどうしてよいか分からない。
そして、お互いに本音を伝えられないまま、時間だけが過ぎてしまうこともあります。
私はこの回を読んで、
『自分や家族が本当に追い詰められる前に、「何を大切にしたいのか」を話しておくことの大切さ』
を強く感じました。
延命治療をどう考えるか。
どこで過ごしたいか。
何をされたらつらいか。
何を支えに感じるか。
そうしたことももちろん大切です。
でも、それと同じくらい大切なのは、
「迷惑をかけたくないと思っている」
「弱る自分を見せるのが怖い」
「本当は一人で抱えたくない」
そんな心の部分も、少しずつ言葉にできる関係を作っておくことなのかもしれません。
『お別れホスピタル』は、ただ死の場面を描いているのではなく、その人がどんな誇りを持ち、どんな孤独を抱え、どんなふうに自分を守ろうとしていたのかまで、静かに見せてくる作品だと思います。
だから読んでいて苦しい。
でも、その苦しさの中に、私たちが目をそらしてはいけない大事な問いがあるように感じます。
私はこの回を読んで、あらためてこう思いました。
『自分らしく生きたい。でも、自分らしくあるためには、一人で抱え込まないことも大切なのかもしれない。』
人に頼ること。
弱さを見せること。
助けてほしいと言うこと。
それは、自分らしさを失うことではなく、むしろ、自分を守るために必要なこともあるのではないでしょうか。
みなさんは、何を「自分らしさ」だと感じるでしょうか。
弱った時、苦しい時、誰かに頼ることを自分に許せるでしょうか。
そして、自分や家族が本当に追い詰められる前に、何を大切にしたいかを話したことはあるでしょうか。
こうしたテーマは、一人で考えるととても重たく感じるものです。
だからこそ読書会では、正解を出すためではなく、
「私はこう感じた」
「自分ならどうだろう」
「家族と何を話しておきたいだろう」
そんなことを安心して言葉にできる場にしたいと思っています。
『お別れホスピタル』は、私たち一人ひとりに、
「あなたにとって、自分らしく生きること、自分らしく最期を迎えることとは何ですか?」と問いかけてくる作品なのかもしれません。
この記事を読んで頂き、読書会にもご興味を持って頂けると嬉しいです。
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