女性に偏りがちな介護負担の現実。57.9%が働き方を変える「暗黙の了解」と家族崩壊の危機
「親の介護が必要になったら、きょうだいの誰かが(あるいは妻が)なんとかしてくれるだろう...。」
もしあなたの心の奥底に、ほんの少しでもこのような「無意識の思い込み」があるのなら、今すぐその考えを見直す必要があります。
これまでの連載で、50代・60代での介護離職が「数千万円規模の経済的損失(生涯賃金・退職金・年金の減少)」を招くという、恐ろしいシミュレーションをお伝えしてきました。
第7回となる今回は、その負担が「家族の中の誰に」重くのしかかっているのかという実態と、そこから生じる家族崩壊の危機について考えていきます。
■ データが示す、介護負担の「偏り」
本来、親の介護は性別や立場に関係なく、社会の制度や家族全員で協力して担うべきものです。
しかし、現時点の日本社会においては、その負担が特定の家族、とりわけ「女性」に大きく偏ってしまっている実態があります。
2024年8月に実施された「親の介護」に関する実態調査では、親の介護に直面した際の働き方への影響について、以下のような明確な差が浮き彫りになりました。
男性で離職や働き方の変更をした経験がある割合は30.9%にとどまる一方、女性は57.9%と過半数にのぼっています。
つまり、女性の多くがキャリアの変更や断絶を余儀なくされているのが現実なのです。
「長男の嫁だから」
「近くに住んでいる娘だから」
「女性のほうが身の回りの世話が得意だろうから...。」
こうした無意識のジェンダーバイアスや、きょうだい間の「暗黙の了解」が、結果として一人の人間のキャリアと人生を静かに、そして確実に追い詰めています。
■ 「ワンオペ介護」が招く、孤立と家族崩壊
特定の誰かに負担が集中する「ワンオペ介護」は、経済的な損失をもたらすだけではありません。
自分だけが睡眠時間を削り、仕事を辞め、親の排泄や食事の世話に追われている。
それなのに、他のきょうだいはたまに顔を出して「もっとこうしてあげたら?」と口出しするだけ...。
このような状況が数年続けば、介護をしている本人の精神は確実に限界(介護うつ)を迎えます。
そして、親の死後も決して修復されることのない「きょうだい間の深い溝(争族)」を生み出し、家族の絆は完全に崩壊してしまうのです。
■ 悲劇を防ぐための「45歳からのチーム化」
一人の自己犠牲の上に成り立つ介護は、もはや美徳ではありません。
家族全員の共倒れを防ぐためには、親の介護を「個人戦」ではなく、外部のプロ(介護サービス)を巻き込んだ「チーム戦」としてマネジメントする必要があります。
そのためには、親が70代、自身が45歳を迎えた今から、遅くとも50代前半の介護リスクが本格化する前に、きょうだい全員で情報を透明化する仕組みを作っておくことが絶対条件です。
親の資産(預貯金や年金額)はいくらあるのか?
どんな保険に入っていて、証券はどこにあるのか?
いざという時、延命治療や施設入居について親はどう考えているのか?
これらの情報を「ファミリーアーカイブサービス」などを活用してデジタル空間にセキュアにまとめ、「きょうだい全員がいつでも同じ情報を見られる状態」にしておくのです。
情報の非対称性(誰か一人だけが親の状況を抱え込んでいる状態)をなくすことこそが、「暗黙の了解」という呪縛を解き放ち、誰も離職せずに済むスマートな介護体制を構築する最強の防衛策となります。
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