介護離職の経済的損失シミュレーション②:減額される退職金と「自分の老後破産」の恐怖
「親の介護で仕事を辞めても、退職金が入るから当面はなんとかなるだろう」
「年金はすでに20年以上払っているから、老後もそれなりにもらえるはず」
もしあなたが今、このように考えているのなら、それは非常に危険な落とし穴になる可能性が大です。
前回(第5回)の連載では、50代・60代での介護離職が「数千万円の生涯賃金」を吹き飛ばし、二度と元の正社員ルートに戻れない再就職の絶望的な壁について解説しました。
しかし、経済的ダメージは毎月の給与だけにとどまりません。
第6回となる今回は、多くの人が見落としがちな「退職金の大幅な減額」と「自分自身の老後年金の永続的な減少」について、リアルなシミュレーションをお届けします。
■ 定年退職と自己都合退職で開く「退職金の大きな差」
親の介護を理由に会社を辞める場合、多くの企業では「自己都合退職」として処理されます。ここに一つ目の罠があります。
日本の多くの企業の退職金制度では、「定年退職」と「自己都合退職」で算定率(支給係数)が大きく異なる場合があります。
定年まで勤め上げることで最も高い支給率が適用される仕組みになっているため、50代での途中退職は想像以上に影響が大きくなる可能性があります。
例えば、大卒で入社し、60歳の定年退職であれば「2,000万円」の退職金がもらえる予定だったとします。
しかし、親の介護のために「55歳で自己都合退職」をした場合、勤続年数が5年短くなるだけでなく、自己都合の減額係数がかけられるため、支給額が「1,200万円〜1,500万円程度」にまで目減りしてしまうケースが珍しくありません。
つまり、離職のタイミングが数年早まるだけで、一瞬にして数百万円から一千万円近い資産が消え去るのです。
■ 一生涯続く「年金減額」という真の恐怖
さらに恐ろしいのが、自分自身の「老後年金の減少」です。
会社員が加入している厚生年金の受給額は、「加入していた期間」と「その間の給与額(標準報酬月額)」によって決まります。
50代で介護離職をし、その後非正規雇用(パート・アルバイト)で再就職した場合、あるいは無収入の期間が続いた場合、厚生年金の加入期間が短くなるか、保険料を計算するベースとなる給与額が大幅に下がります。
【シミュレーション】
仮に、年収600万円の人が55歳で介護離職し、その後65歳までの10年間、年収240万円の非正規雇用で働いたとします。
この場合、そのまま定年まで正社員として働き続けたケースと比較して、将来受け取る自分自身の厚生年金は「年間で約20万円〜30万円」ほど減額される計算になります。
「たかが年間数十万円」と思うかもしれません。
しかし、年金は「死ぬまで一生涯」受け取るものです。仮に65歳から85歳までの20年間生きたとすれば、総額で400万円〜600万円の損失となります。
■ 「親の介護」が「自分の老後破産」を引き起こす負の連鎖
前回の「生涯賃金の喪失(約3,500万円)」に、今回の「退職金の減額(約500万円)」と「年金の減少(約500万円)」を合計してみてください。
50代での介護離職は、トータルで「4,000万円〜5,000万円規模」の途方もない経済的損失をあなたにもたらすのです。
親の介護に自身の資産を切り崩して対応し、いざ自分自身が老後を迎えた時、手元にはわずかな貯金と減額された年金しか残っていない。
これが、親への自己犠牲が招く「自分の老後破産」という残酷なメカニズムです。
■ 50代・60代の悲劇を防ぐ「45歳からの事前準備」
この取り返しのつかない「負の連鎖」を断ち切る方法はただ一つ。
50代・60代になって介護の負担が爆発する前に、「自分が絶対に仕事を辞めなくて済む体制を構築しておくことです。
そのためには、親が70代、自身が45歳を迎えた今から、遅くとも50代前半までに、親の資産状況や医療・介護の希望を徹底的に把握すると同時にご自身の老後の資金準備をスタートする必要があります。
いざという時、親の年金や貯蓄の範囲内でどの施設に入れるか?
どのサービスを頼めるか?
をまずは確認し、介護計画を立て、ご家族(ご兄弟)で共有しておくことが非常に重要です。
「ファミリーアーカイブサービス」などを活用し、事前に時間的コスト+経済的コストをかけてでも、親の情報を家族(兄弟)で安全に共有しておくことは、将来失われるかもしれない「5,000万円」を守るための、最強の防衛投資(人生の保険)になるのです。
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