「お母さん、最近おかしいよ」は禁句です。親のプライドを傷つけずに「老後の話」を切り出す魔法のアプローチ【55歳からの「親と私の未来」戦略 Vol.6】
しかし、気づいた後に待っているのが、さらに大きな壁です。
「この変化を、どうやって親に伝えたらいいの?」
あなたも、こんな風に悩んでいませんか?
「最近、物忘れがひどいよ。病院行こう」と言ったら、すごく怒らせてしまった。
「このままじゃ心配だから、施設も考えたら?」と提案したら、「親を捨てる気か!」と泣かれてしまった。
喧嘩になるのが怖くて、結局何も言えずに帰ってきてしまった。
お気持ち、痛いほど分かります。
親を想うからこその言葉が、親のプライドを傷つけ、心を閉ざさせてしまう。これは本当に辛いですよね。
今日は、そんなジレンマを解消し、親御さんと穏やかにこれからのことを話し合うための「魔法のアプローチ例」をお伝えします。
なぜ、あなたの言葉は届かないのか?
まず知っておいていただきたいのは、親御さん自身も、心のどこかで「自分の衰え」に気づき、不安を感じているということです。
しかし、それを認めるのは怖い。
子供には迷惑をかけたくないし、いつまでも「しっかりした親」でいたい。
そんな複雑な親心があるところに、子供から真正面から「おかしいよ」「衰えてるよ」と指摘されたら、どうなるでしょうか。
自分を守るために、反発したり、殻に閉じこもったりしてしまうのは、ある意味当然の防衛反応なのです。
アプローチを「説得」から「相談」に変える
では、どうすればいいのでしょうか。
大切なのは、あなたのスタンスを「親を心配し、説得する人」から「人生の先輩に相談する人」へと変えることです。
上から目線ではなく、下から、あるいは横から目線で話しかけるのです。
具体的に使える、3つの切り出しパターンをご紹介します。
【パターン1】「私(I)メッセージ」で相談する
主語を「あなた(親)」ではなく、「私」にして、自分の感情や不安を伝えます。
×「お母さん、最近おかしいから病院に行って」
→ これでは「あなたが悪い」という非難に聞こえます。
〇「私、将来のことが少し不安になってきて。お母さんが元気なうちに、これからのこと、どう考えているか聞いておきたいな。教えてくれる?」
→ これなら、「私の不安を解消するために協力してほしい」という「相談」になります。親御さんは「子供のために教えてやろう」という気持ちになりやすいのです。
【パターン2】第三者の話題をきっかけにする
テレビのニュースや、知人の話をクッションにします。
「この前、同僚のお母さんが急に入院して大変だったみたいで。他人事じゃないなって思って、少し心配になったんだ。うちは何かあった時、どうすればいいかな?」
一般的な話題から入ることで、親御さんも身構えずに話しやすくなります。
【パターン3】具体的な「困りごと」から入る
全体的な衰えを指摘するのではなく、目の前にある具体的な不便さを解消する形で提案します。
(高いところの電球を指して)「あの電球、切れてるね。交換するの大変でしょう?私がやっておくね。他にも不便なことない?ついでに見ておくよ」
「衰えたから手伝う」のではなく、「不便そうだから手伝う」というスタンスです。小さな成功体験を積み重ねることで、徐々に信頼関係が深まり、深い話ができるようになります。
完璧を目指さなくていい。お茶を飲みながら、少しずつ。
いかがでしょうか。 大切なのは、一度の会話で全てを解決しようとしないことです。
お茶を飲みながら、雑談の延長で。 「そういえばさ...」と、少しずつ話題に出してみてください。
たとえ話がうまくまとまらなくても、「これからのことを一緒に考えたい」というあなたの姿勢は、必ず親御さんに伝わります。 その温かい空気感こそが、何よりの親孝行なのです。
次回は、話し合いの次のステップ、「親のお金と保険」という、さらにデリケートな問題について、カドを立てずに確認する方法をお話しします。
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2025年12月06日 19:06

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